もの凄い因縁?運命?
閃いたので頑張って書きました。
星飼学園へ続く道の途中の曲がり角。
俺はそこで標的を待っていた。
俺は藍原遼。
前世の記憶を持った高校生だ。
前世では大学生の時に車に轢かれ…じゃなくて車で人を轢いた後に電柱にぶつかって死んだ。
今でもあのJK大丈夫だったかなーと物思いにふける事がある。
罪悪感は、無い!
そして今世!
なんと俺は姉が昔やっていた乙女ゲームとやらの攻略対象なのだ!
お陰で俺は超絶イケメンで裕福な家に生まれ、ゲーム開始まで死なないという因果律的なものでテロリストが銃を俺に向けて撃った場合100%暴発するというチートっぷり。
そんな俺は今、例の乙女ゲームのヒロインがこの曲がり角に訪れるのを1時間近く待っている。
あまりにも見たのが昔すぎて「曲がり角でぶつかるイベント」しか覚えてなく、俺のルートはこのイベントが発生しなかった場合成功率が最大で30%になる、という凄まじい難易度だからだ。
『あの超絶美少女が超絶イケメンである俺の物にならないのはおかしい!』
そう思って俺は自分を奮い立たせて昨日の夜から起き続け、イベントが発生する筈の7時半から8時半に念を入れて7時からこの曲がり角で待機していたのだ。
(もう8時か。まだかなぁ)
携帯を見てそう思った時、
ピロローンッ
誰かの携帯が鳴った。
自分の着信音と全く同じそれを聴いた事で一瞬だけ動揺したが、すぐに前の方を歩いている人が電話に出ているのが見えて特に理由もなく安心したのも束の間、
「何っ!?岡本がヘマをしたッ!?すぐ行く!30分後…9時半まで持たせろッッ!!!」
……30分後が、9時半?
それはつまり、今は9時?
携帯を再び見ると、1分は経っているはずなのに全く画面が変化していなかった。
(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!
ヤバすぎるッッッ!!!!)
俺は学校に向かって走り出した。
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(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!
ヤバすぎるッッッ!!!!)
私は虹宮光。
前世で車に轢かれて、轢いた車が電柱にぶつかったのを見て死ぬ寸前まで運転手の心配をしていた優しい転生者です。
只今コンビニ強盗に遭った時以上の大ピンチです!
あの時はたまたまボロくなっていた照明が落ちて強盗に当たったお陰で助かりましたが、これはヤバいですッ!
私と同じ着信音の人が、30分後が9時半だと言ってました。
という事は既にイベントの時間は過ぎてます。
まさか携帯が壊れているとはッ!
お気に入りの攻略者のために57分待っていたのが無駄になってしまいました。
私は学校に向かって全力で走り出しました。
ドンッ
「うおッ!?」
「キャッ!?」