プロローグ
人間関係が難しい現代社会誰しも1度はこんなふうに願うことがあるのではないでしょうか。難しいからこそ生まれる人間関係にはとてもディープなものになる。
この物語は非現実なものですがその中に1人1人が感じるリアルがあると思います。
愛実のもとに届いた1通の紺色の封筒が彼女の未来を大きく変えてしまった。
今思えばそれが全ての始まりだった。
「ただいまー」愛実の声がコンクリの家の壁に反響して響く。
すると奥から愛実の母、優子がエプロン姿で彼女を出迎える。
「おかえり。今日、会社どーだった?」といつもの台詞の優子。
「別にいつも通り毎日そんな変わらないよー。着替えてくる」こちらもいつもの台詞の愛実。
「まぁそうやんね。おやつあるから。そういえば、愛実に封筒とどいてたよ。なんか頼んだ?」
「別にたのんでないけどなー机においてるよね?見てみる」
「下でまってるね」
愛実の家は両親のこだわりとお金がかかっており住宅地にある一戸建てにしては
一際目を引くものがあり、中の部屋も普通の戸建てに比べると少しだけ広めだ。
愛実も家造りには参加したので自分の部屋の壁紙はカタログから選んだ。
二階に上がるとトイレがあり、その横が愛実の部屋そして兄の優一の部屋と両親の寝室がある。
愛実は1階のリビングで寛ぐのが日課だ。愛実は部屋に入るといつもどうりTシャツと短パンに着替える。
ふと、机に目をやると母の言っていた通り紺色の封筒がおかれていた。
「何やろ?」愛実は封筒を手にとり差出人の欄に目をやる。
”SBコーポレーション”と書かれている。
「知らんなぁ」
まぁそんなに急ぐこともないので、封筒をいちおう引き出しにしまい、愛実は下に降りた。
この時の愛実はまだこの封筒が自分の人生がひっくりかえってしまうような重要な意味を持つとは夢にも思っていなかったのである。
下に降りると優子が用意したカヌレとミルクティーが用意されていた。
「いただきまーす」
嬉しそうにフォークで崩しながらカヌレをほうばる。
カヌレとミルクティーの相性は最高だ。
しばらくすると母、優子が雑談を始める。




