~試練という名の全てを奪った残酷な過去~
今から遡ること半月・・・。
俺は交通事故で、下半身不随になった。
俺はサッカー部に所属していたが、 事故にあった日は、大会予選の前日だった。
目の前が真っ白になった・・・。 全ての事に対し、やる気がでなくなってしまった。
終には、俺は人間を辞めようとも思った。 ――それは、一週間前の事である。
リハビリが上手くいかず、ただただ気力だけが無意味になくなっていく。
何をしても失敗。 何をしてもダメダメ。 そんな毎日が嫌になったんだ。
“死にたい”ずっと心に在った言葉がついに俺を動かした。 ――二日前の事である。
しかし、自分の首を自分の手で絞めたのだが、自己防衛反応的なものの所為で死ぬことが出来ず、ただ気を失って終わってしまった。
それからというものの、親になだめられ、看護師になだめられ続ける日々。
つまらない。 実につまらない・・・。 ――そんなことを思って寝たら、あの夢を見た。
――あの、願いが叶うという妖精の出てくる夢を。 俺の未来が詰まっている夢を。
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アリス;「何の夢を見せて欲しいの??」
俺:「そうだな・・・」「何でも見せてくれるんだろ?」
アリス;「えぇ、もちろんっ!」 ――アリスは自信満々に、そう言った。
だけど、『何でも良い』と言われると逆に悩んでしまうのが人間という生き物。
――だから、優柔不断な俺にアリスは提案を持ちかけた。
アリス;「今 一番あなたを必要としている人に逢いに行くっていうのはどうかしら?」
――俺はその提案をとても良いと思い、その提案に乗ることにした。
俺:「それ、いいなっ! よし、そうしよう!!」
:「今の俺を誰が必要としているか気になるし・・・」
――俺が そう言い終えると同時に、アリスは手を上に翳す。
すると、気持ち悪い色をしていた洞窟周りの壁や天井が、一瞬でドロッと溶け始める。
それから、映画とかでよく見るような、 宇宙をワープする時の 星みたいなものがキラキラと輝く中を高速で駆け抜けて行った。
“バシュッ” ――そんなような大きな音がした後に、俺は床にたたきつけられる。
俺:「痛ぇ!」 ――思わず声が出てしまうが、実際 痛かったのだから、仕方がない。
夢なのに、痛覚がはっきりと存在している・・・。 とても不思議なところだ・・・。
俺は少しそんな事を思いながら、ここが何処なのか気になって周りを見渡した。
すると、そこは学生である俺にとって、とても見覚えのある場所だった。・・・。