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四愛 ~人生の価値~  作者: 尖角
-蘭の章-
18/22

~希望の道は、 いつからか崩れ去っていて~

 それは、揺れの所為で、態勢を崩され寝転んだような形になっていたため、


 立ち上がって移動をしようと、 その場に手を突こうとした時の話である・・・。




俺:「んっ?」  そうやって、俺は思わず声を上げてしまう。


 それもそのはず。  身体を動かそうとしたものの、ビクともしないのだ。


 『やはり駄目だったか・・・』 ――それは、俺の頭に一瞬過る言葉。






 しかし、“喜んだのも束の間”とはよく言ったものだ。


 『この時のために作られた言葉じゃないか!!』  そうとも思った。



 だが、そんな一人コントのようなことを話していても仕方がない。



 何を言っても、 俺の身体は、重すぎるほど大きな塊に押しつぶされ下敷きになっているのだ。




 動かそうにも動かせない・・・  いやっ、正確には、右半身だけが全くもって動かない。



 左半身の少しは痛いなりにも頑張れば動かすことが出来る。 だが、右半身は天井に潰されたようだ。









 そう思った瞬間、俺の中にはある一つの感覚が蘇ってきた。


 ――それは、“梅花との夢で、車に轢かれた時の感覚”である。



 だから、俺は『まただ』『また、恋の行く手を阻まれた』と後悔を強いられる。




 『チクショウ・・・』『俺はただ、俺はただ愛して欲しいだけなのに・・・』


 ――その思いが、後悔をするたび・・・後悔の気持ちが強くなるたびに心の中をひたすら巡る。






 だから、俺は繰り返される後悔により、 俺の見る夢を恨んだ。


 ――『もし、アリスならばどんな夢を見たのか? 不思議の国に連れてってくれたのか?』


 ――『あいつは、 愛に関する事なんかじゃなく、冒険だとか奇想天外な夢の方を見せてくれたのか?』









 俺は、そうやって自分自身を恨んだ。  これ以上にないくらい恨みに恨んだ・・・。



 ――もう、苦しいんだ。 もう、何もしたくない。  ・・・何もかもが嫌いだっ!!!



 俺の考えも嫌い。 俺の心も嫌い。 俺の夢も嫌い。 俺の恋も嫌い。



 何よりも俺の足そのものが嫌いで・・・そして何よりも憎く感じていた。




 なぜ、全てがうまくいかないんだ?  何一つ、思い通りにならないんだ?


 どうしてなんだ? どうして、俺が“したい”ことは、全てうまくいかないんだ?









 ――俺はそんな悩みの中で、 もがき苦しみ、そして心を引き裂かれながら意識を失った。




































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