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四愛 ~人生の価値~  作者: 尖角
-蘭の章-
15/22

~一番近い存在は、 一番近い愛というもので~

 「何、硬くなってるの?」  ――そうやって、誰かが俺に呼びかける。


 そんな声により、俺はふと目を覚ましたかの様に、軽くビクッとしてから辺りを見渡す。




 すると、そこは女の子の部屋のようで、 何のキャラクターかよくわからないが可愛いぬいぐるみだとか、ピンク色のハート型のクッションだとかが大量にある部屋だった。






 そして、そんな部屋の真ん中には小さな丸型の木机があって、 そこで俺と向かい合う形で座っている女の子が一人いた。



 その女の子は 俺と同じくらいの歳の子で、 とてつもなく可愛い・・・


 ってほどでもないが、 素直に『可愛い』って思う事が出来るような女の子だった。






 そんな感じの事を俺が思っていたら、その女の子は『何ジッと見てるの?』『私の体に、何かついてる?』ってな風に体をチロチロとみる女の子。




 俺はそれを見て、『“可愛い”って眺めてた事がばれたか!?』と少しだけ思った。






 だが、そんな俺には、実は そんな事よりも気になる事があったのだ。



 それは、『この子が誰なのか?』って事・・・。



 俺はその事が気になり、頭の中で必死に“検索”を始めた。




 ――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――


 ――――――――――――――



 だが、見つからない。  そう、これっぽっちも、見つからない。






 しかし、1回目の夢で出てきた梅花も、2回目の夢で出てきた蓮先輩も俺のよく知る人。



 だが、この女の子は・・・?  ――残念ながら、全く持って記憶にございません!!!



 そう・・・全然わからないのだ・・・。  だが、そんな俺に女の子は言った。




女:「けど、実際 聖馬と付き合う事になるとは思ってもいなかったよ」



 そう言って、女の子は口元に手をあててクスクスと笑う。




 だが、聖馬こと この俺の中では、一つの叫びが谺する。



 ――いやっ、その行動は可愛いよ? とっても可愛いよ?  だけど、お前誰だよ!?



 っと、一つの疑問がぐるぐるぐるぐるぐるぐる・・・と永遠に渦になって周り続ける。




 だが、そんな理解不能の闇に堕ちた俺に、追い打ちをかける様に女の子は喋り続ける。



女:「でもね?  昔は2人で一緒に遊んだりしたじゃん?」

 :「いろんな場所に出かけて、いろんな遊びをしたりしたじゃん?」

 :「でも、中学に上がった頃からかな?」

 :「私達はいつの間にか、会話する事がなくなっていた・・・」

 :「家が隣同士で、いつでも会いに行こうと思えば会いに行けたのに・・・」っと。






 『んっ? 待てよ?』『待つんだ、 焦るんじゃないぞ?』『おいおい、待てって!!』



 『なっ、こいつ、今、 「家が隣同士」って言ったよな?  確かに、言ったよな?』



 『って言うと、 隣って言うと、綾奈の家じゃねぇーか!! ありえねぇよ!!!』



 『この可愛い子が、綾奈だと?  正直言って、ブスだったんだぞ? 綾奈はっ!』



 『なのに、こいつが・・・この可愛い子が あの(あららぎ) 綾奈(あやな)と言うのか?』



 『おいおい、世の中、残酷すぎるだろ? 幼馴染が知らぬ間に可愛くなっているとは!』




 ――それ故 俺は思うのある。


 『“女は恐ろしい生き物だ”とは、よく言ったものだ! まさしく言葉通り!!』っと。



























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