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四愛 ~人生の価値~  作者: 尖角
-蓮の章-
13/22

~癒えぬ痛みは、気付けばサヨナラの涙に~









 “グサリ” っと鈍い音をさせて胸に突き刺さる、ナイフ。



 赤い、赤い、真っ赤な血が、ドクドクと脈打つ鼓動と共に溢れだす。




 それは止まる事を知らず、辺り一面は俺の血の色で染まる事に・・・。






 ――それにより、俺は意識が朦朧としてきていた。











 そんな俺を見ながら、さらに多くの涙を零しながら先輩は言った。



蓮:「あなたの所為で・・・」

 :「あなたの所為で、わたしのビデオが世界中に流れる羽目になったじゃない!」

 :「なんで・・・なんで、わたしがこんな目に合わなきゃいけないのよ!?」

 :「あいつは「俺に何かあれば、お前とのビデオはネットに流れる」って言っていた!」

 :「だから、あんたの所為でわたしの・・・わたしの・・・わた・・・しは・・・」






 ――先輩はそこで話すのを止めた。 っと言うよりも、続ける事が出来なかったんだ。



 それは、苦しくて、想いが強すぎて、言葉に出来なくて、続ける事が出来なかったんだ。








 俺は先輩をより不幸にしてしまった。  幸せにするはずが、不幸にしてしまった。





















 だが、『こんなはずじゃ、なかったのに』と いくら後悔したところで、時すでに遅し。




 ――どれだけ後悔したところで、 先輩の心の傷を癒す事は、もう出来ない。




 正確に言えば、俺には癒す事が出来ない。  こんな俺には、もう何も出来ない。








 俺は大好きな先輩を・・・大好きだった先輩を、さらに不幸にした最低な人間。



 俺にとって憎かったジュンと俺とじゃ、先輩にとっては変わらない。 どちらも最低。






 ――俺は視界が掠れ、意識がだんだんと薄れていく中で、そんな事を考え続けていた。



























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