表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後宮ままごと暮らし  作者: 夜が更ける
3/3

権力

これが噂の?

苦しい苦しい苦しい…

寝ていても起きていても、食べるのも苦しいのだ。


腹の子は順調に育っているのだろう。その証拠に膨れる腹は、人間とは思えないような有り様。

人を醜いと感じたことはないが、今の自分の有り様は素直に醜いと感じた。


母が弟を身籠っていた折、妊婦というものを身近に感じていたことはあるが、思い返せば妊婦の生の腹を見たことは一度もなかった。母の腹もこのように膨れ上がり、幾筋もの白い線が浮き出ていたのだろうか?


身体は醜く、体調は悪くなっていくばかり。いったい夫である東宮は妃である私に何をしたのか?


いや…頭ではわかっている…ありがたい情けを頂戴したのだということを…


実家から送られてきた新しい(かさね)に目をやりながら、最近妙に実家から物が送られてくるなと思う。


それに、近頃交流の無かった友人や、あまり面識のない人々からも懐妊祝いから始まり、季節ごとに贈り物が送られてくる。大弐が体調の悪い私に付きっきりになり、そのほかの女房は(もっぱ)らお祝いの選別やお礼状書きというのが最近の梨壺である。


しかし、今の私は贈り物どころではない。生きることで精一杯なのだ。新しい襲よりも何よりも安息を求めている。仏に祈る為の数珠が手放せず、祈祷してもらうため神官を呼びつける。駄目元で今一番人気だという安倍晴明を呼んでみると、何と3日後に現れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ