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転生井原西鶴! ~スイポテモンブラン、カボチャプリン~

作者: 白夜いくと

この作品は『秋の歴史2023』参加作品です。

 ワシは井原(いはら)西鶴(さいかく)。有名だから知っとる奴は多いだろう。今ワシは自著の『浮世草子(うきよぞうし)』について、中学校という場で習っている。


 ……勘が悪いのぅ。いわゆる転生をしたのじゃ。易者(えきしゃ)の力でな。これは秘密のことじゃぞ。ちなみに、易者とは占い師のことじゃ。ワシは死ぬ前に、易者に頼んでみた。


「この国の未来の俗世が見てみたい」


 と。

 ワシが出会った易者は本物の超能力者だったらしい。ワシを未来の江戸時代……今は日本の令和時代か。に、転生させたのだ。

 しかもワシの産まれた大阪の地に転生した。夜にはネオンというのが窓際でギラギラしていて趣深い。昔は水の都だったと称される場所は、多くが埋め立てられてビルが建っている。


 そんなワシが、最も興味を持ったのは、女子生徒たちが食べている『芋栗南京』もとい、『スイートポテト(スイポテ)モンブラン、カボチャプリン』だ。


 むぅ。知らんか? 『芋栗南京』。


 女子が好んで口にするものの例えとして主に関西地方で今も使われておるぞ!


 秋の三大スイーツにして良いのではないかというほど、コンビニやスーパーで目にする。とても美味そうだ。女の身体で転生できたワシは、色々と便利だ。


「ひとくちちょうだい!」


 これで女子生徒は『スイートポテト(スイポテ)モンブラン、カボチャプリン』を口元まで運んでくれる。まるで雛鳥のようだ。


 肝心の味。


 スイートポテト。

 まず最初にサツマイモの香りが鼻に抜ける。次にシュフッと柔らかい食感に驚く。割と腹持ちがよく値段も低め。秋のコンビニにたくさん並ぶ。シンプルなものほどうまい。


 モンブラン。

 見た目からして異国情緒あふれる。上品なたたずまいのベールを割って見れば、中にクリの宝石がある。コンビニよりケーキ屋で買う方が満足度が高い。ディスプレイに並ぶケーキたちの中で、必ず居るのがこの方。


 カボチャプリン。

 スーパーなどでも売っている。比較的ハードルの低い甘味。安定の甘さ。たまに砂糖の味しかしないのもある。が、本当に美味い物は、くちどけや滑らかさ、カボチャの味がする。


 女子の反応。


「ヤバイ! うまー!」

「ガチでうめぇ」

「なるほどねー」


 ふむ。「ヤバイ」と「ガチ」は、使い勝手が良い言葉だ。


 ワシが驚いたのは、男子もスイーツを普通に食すということ。


 江戸時代に生きていた者たちがこれらを食べていたら、どう思っただろう。


(とかく令和いへども『芋栗南京』世に変わらずあり)


 ということか。

 ワシは、女子生徒と群がって放課後にスイーツを買いに行った――――

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― 新着の感想 ―
[一言]  スイーツにするなら、ともかく。  おかずとしては、男性人気がイマイチな甘い野菜たちですが。  あえて塩辛く、炒め物にして食べたいなと思っております。  その方が、甘みが生きる。  そうい…
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