78:マッチョな入浴 (2020.6.24-7.8)
全7話にわたる作画工程を1話にまとめたので、クソ長いです。ご注意ください。
ハイ出ましたwマッチョなイラストを掲載しようと加工した扉絵。当時は色んなマッチョを描こうと思ってたんですけど、結局ナイル君1枚だけで終わったっていう。
今後は全部こちらの作品に作画工程をまとめていきますんで、マッチョ作品も増えるかと思います。
それでは当時の製作記事をどぞ( ^^) _旦~~
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紳士淑女の皆様こんにちわ(*^-^*)
いや、どちらかというと淑女の皆様お待たせいたしました?
『だって彼シャツが好きなんですもの!』では、セクシー美女のお色気イラストを描いてましたが、男性陣のセクシーイラストもやっぱり見たいですよね?!
てことで、セクシーボーイズイラストどんどん描いていきますよ(*´з`)♡
※同名の企画作品ではマッチョについてあれこれ語りましたが、こちらはマッチョなイラストの製作日誌となります。
拙作はキャラ的には男性の方が多いので、色んなキャラが剥かれる予定です!(笑)
最初のキャラは、あの女装男子のナイル君です!
ご存じないという方の為に、参考イラストをドン!
任務の為にメイド服を着ているナイル君です。
今回はこのキャラクターが出てくる、お色気コメディ番外編『うらばら!男装騎士は喜劇のヒロイン』の挿絵用イラストを描いていきます。
まずはラフ画から。
うらばら!に投稿する予定のお話は、お風呂のシーンでありますので湯船に浸かったナイル君を描きます。
こ、この角度難しかった……。
真横だと見える面積が(どこの?)少ないので、ナイル君の細マッチョの肉体が良い感じに見える角度に工夫。
ほらだって、この作品はマッチョ好きの為のものですからw
風呂場の背景のラフ。
いつもはうらばら!作品には、ちゃんとした背景は入れないんですけど、お風呂シーンなので、湯船は必須。でも湯船だけだとちょっと変かな?ということで背景も入れることに。
適当に壁と窓と、家具、小物を配置。
ラフ画の段階はさらさらいけるけど、本番書きが大変なんですよねぇ……(遠い目)
背景と人物を合わせたラフがこんな感じ。
ちょびっと足の角度を直して、人物の大きさや位置も調整しました。
ラフ画の段階でも、背景と人物のレイヤーを分けると、後で大きさや位置を変えたりできるので便利です。
背景の方の線の色を変えているのは、清書する際などに見やすくするために、薄い青にしてます。
編集 → 線の色を描画色に変更
今回はいつもと違って背景が入るので、人物よりも先に背景を描いていきます。
お次はとっても面倒くさいパースの回。
~~~~~~~~
今回は背景作画の中でも重要なパースの回です。
パースなんかすっ飛ばせよ!と言うなかれ。
毎回忘れちゃうからメモっておくんです(´Д⊂ヽ
ほんと、過去3回くらい同じ操作を検索したんだよ……やろうとするたびに忘れてるから……。
元となる背景のラフ画がこちらです。
ちょっと上から見た構図ですね。
3点透視法となります。
これがパース定規の設定!これ大事!テスト出ます( ゜Д゜)←毎回忘れているヤツ
レイヤー → 定規・コマ枠 → パース定規の作成
パースのタイプを選べます。
今回は3点透視ですね。
3点透視だと最初はこんな感じで設定されます。
パース専用のレイヤーが作成されます。
パースの線を触ると、こんな感じになります。
これを触りながら、消失点の位置を調整したりします。
パースを調整するとこんな感じです。
アイレベル(視線の高さ)が赤い◎の重なっている濃い青の線です。
今回は上から見た構図なので、画面の外にアイレベルが出ます。
3つの消失点もそれぞれ画面からかなりはみ出た所になりますね。
パースを元にラフ画を見てみると……
ちょっと湯船がパースからずれてますね。
ラフ画の方を修正してもいいですけど、今回はパースの消失点の位置を修正して、ラフ画の線に合うように調整しました。
パースのガイド線がもう少しあった方が見やすいな、という時はこれ。
定規マーク → パース定規 → ガイドの追加
ガイドを追加するとこんな感じ。
湯船の縁とか、パースのずれを確認する為に追加しました。
パース定規のパースに沿った線を描きたい時は、特殊定規にスナップというボタンをオンにしておきます。
このペンのマークの真ん中のアイコンです。
これがオンになっていると、パースに合った線が描けます。
オンオフの切り替えはここでやると楽。
他の作業をしていて、パース定規の設定をちょっと触りたいなという時は、オブジェクトのツールを使います。
オブジェクトのアイコン → オブジェクト → パース定規の線を触る
→ カラーパレットの上にパース定規編集中と出ます。
パースに合ったグリッドを使いたいという時はこれ。
パース定規を編集状態にして、グリッドの平面を選びます。
今回は床のタイルを描くためにXZ平面を使います。
グリッドのサイズは下のバーで調整できます。
先ほどと同様に、グリッドにスナップというボタンをオンにすると、グリッド上に線を描くことができます。
これでパースの準備が整いました。
ホント覚えるの大変ですよね。
毎回やり方を調べ直す所から入るので、正直面倒くさいw
いい加減自分覚えろよ、という事で細かく製作記録をつけました。
次回は背景を徐々に作っていきます。
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パースの設定をしたので、次は背景を作っていきます。
まずは、床面にグリッドを表示させたので、これに合わせて線を引いていきます。
使用しているブラシは、普通の鉛筆ブラシです。
グリッドにスナップがオンになっていると、普通の鉛筆ブラシでも簡単にグリッドの線上に真っ直ぐな線が引けます。
なんとなく味気ないので、斜め向きのタイルにすることに。
先ほど引いた線の対角線を、直線で結んでいきます。
直線を引くとなると定規ツールを使う印象ですが、このツールを使った方が楽です。
線のアイコン → 直線 → ブラシサイズを設定 → 線の起点と終点をポイントすると直線が引ける
今回は2段階で斜めのタイルを作りましたが、よく考えたらこの向きにあったパースを作って、そこにグリッドを置いて描けば、一発で斜め向きのタイルができたって、後から気がつきました……。
もう一方の対角線も引くとこんな感じになります。
床と壁に色をつけてみました。
部屋の角は斜めに削って、多角形の部屋にしてます。
壁の線は、パースの縦の軸に合わせてます。
窓を作りました。
ちょっと位置がずれてますね……。
最初は普通に窓を描いていたんですけど、途中から壁をへこませて窓を埋め込んだので、真ん中から位置がずれてしまいました……。
計画性って大事。
部屋の中に配置する椅子のパースを追加します。
角度の違うパースは、設定したアイレベル上に消失点を作ります。
定規マーク → パース定規 → 消失点の追加
ちょっと見づらいですが、画面外にあるアイレベル上に消失点が設定されました。
作ったパースを元に、小物を作りました。
椅子と棚です。
浴槽も同じようにパースを使って作ります。
角の丸い部分は連続曲線で描きました。
線のアイコン → 連続曲線 → 線の起点をポイント → 作りたいカーブのところどころをポイントしていくと連続した曲線になる
ちょっとガタついてしまいましたが、主線は後で自然な感じに直すので、今はこんな感じでしっかりと枠取りして色をつけました。
ラフ画を表示して小物を描きます。
椅子の上には水差しを。これはフリーハンドで適当に。
その横にある水がめは片側の曲線だけ描きました。
水がめは左右対称なので、フリーハンドで左右対称の曲線は難しいのでコピペして反転させます。
選択ツール → なげなわ選択 → コピーしたい箇所を囲う
ちなみに選択するレイヤーは水がめの曲線のみが描かれたレイヤーです。
囲った部分をコピーします。
編集 → コピー
コピーしたものを貼り付けます。
コピーからペーストまで他に触ってません。
編集 → 貼り付け
ペーストすると、新たなレイヤーが作成されます。
レイヤー33をコピー&ペーストして、レイヤー33のコピーが作成されました。
同じものをコピペしたので、ぱっと見は同じ絵が重なってて変化がわかりませんが、これを動かしたり変形させたりして使います。
編集 → 変形 → 左右反転
左右反転させるとこんな感じ。
反転させたものを水がめになるように横にずらします。
それらしく水がめのラインをつけて色を適当につけました。
これで背景の下塗りは完成です。
このままだととってもチープな感じですが、次回から彩色や主線を工夫して雰囲気を出していきます。
……とドヤ顔っぽく解説してますが、なにぶん雨音も背景の作画は初心者なので、うまくいくかドキドキ……。
まさにこの作品を投稿しながらリアルタイムで作画してますので、どんな完成品になるのかまだわかりません。
今から頑張って作画してきます!
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背景に配置する大体の物の輪郭と下塗りが終わったら、お次はどんどん仕上げていきます。
壁や床よりも先に、一番目立つアイテムである浴槽から仕上げていきます。
これを中心に他の物も雰囲気を合わせていきます。
現在の状態はこちら。
たまには画面を全部表示してみました。
ツールの配置はたぶん一般的なレイアウトかな?
現在のレイヤー分けはこんな感じです。
フォルダで管理すると、フォルダごと非表示にできるので管理がしやすいです。
浴槽の仕上げ塗りを始めます。
はみ出さないように範囲を指定します。
浴槽の下色を塗ってあるレイヤーを選んだ状態で
選択範囲 → 色域選択
カーソルがスポイトになるので、浴槽の色が塗ってある部分をクリックします。
この時レイヤーを ”選択されたレイヤー” にしておくと、他のレイヤーに同じ色があっても、選択されるのは浴槽の部分だけになります。
浴槽部分のみを選択した状態で、陰影を塗っていきます。
ここで注意したいのが、新規レイヤーで塗っていくこと。
色域選択をした時のレイヤーのままだと、下色に重ねて塗ってしまうことになるので、忘れずに新しいレイヤーを作ってから仕上げの色塗りをしていきます。
使用しているブラシは油彩ブラシです。
大雑把に色を油彩ブラシで塗りました。
この時点ではこれくらい粗めで大丈夫。
油彩ブラシで塗った色をぼかしていきます。
色混ぜのアイコン → 指先
色混ぜの指先でぼかすとこんな感じ。
すじがはっきりとわかるように伸びますね。
次はもっとしっかりぼかします。
色混ぜのアイコン → ぼかし
色混ぜのぼかしでこんな感じに。
滑らかな質感を目指す場合はぼかしツールを活用するといいですね。
さて、ここでちょっと浴槽の色味が気に食わなかったので、色調補正に挑戦しようと思います。
さりげにこのツールを使うの初めてなんですよね。
編集 → 色調補正 → 明るさ・コントラスト
こんなボックスが出ます。
明るさを下げるとこんな感じに。
鉄!!って感じになりますね。
明るさを上げるとこんな感じに。
全体的に柔らかくなって浴槽らしいホワイトに。
コントラストを下げるとこんな感じに。
全体的にくすんだ色になりました。
コントラストを上げるとこんな感じに。
明るさを上げるよりも、白い部分が飛んじゃう感じかな?
今度は色調補正の明るさ以外の調整をします。
編集 → 色調補正 → 色相・彩度・明度
こんなボックスが出てきます。
色相を下げるとこんな感じに。
赤紫っぽくなりました。
色相を上げるとこんな感じに。
青翠っぽくなりました。
彩度を下げるとこんな感じに。
鮮やかさが無くなって白黒になりました。
彩度を上げるとこんな感じに。
元の色味が黄色ベースだったので、こんな風に変化したのかな。
明度を下げるとこんな感じに。
おぉ、真っ黒になりましたね。
明度を上げるとこんな感じに。
全体的に明るく柔らかになりました。
それでは色調補正のあれこれを試してみた所で、最終的に調整します。
明るさ・コントラストの方で少しだけ明るめにして、色相・彩度・明度の調整はこのくらいにしました。
ベースの陰影を作ったところで、主線を非表示にします。
主線が無くなったので、更に陰影をつけて縁をはっきりとさせます。
ただ筆致がはっきりとしすぎると、浴槽の滑らかさを損なうので、使用するブラシは水彩ブラシ。
筆のアイコン → 水彩 →透明水彩
水彩ブラシだけでは少しぼんやりするので、色鉛筆ブラシで更に縁どり、ハイライトをいれます。
色鉛筆ブラシは他のペンツールなどにくらべて、筆致が柔らかいので、こうした仕上げに使いやすいです。
鉛筆のアイコン → 鉛筆 → 色鉛筆
小物を塗っていきます。
壺の下塗りの色を色域選択で選びます。
新しいレイヤーに油彩ブラシで陰影を塗ります。
この時色んな色を混ぜてますが、後でぼかす為に同じレイヤーにて作業します。
油彩ブラシのレイヤーをぼかして、壺らしく滑らかな表面にしました。
更に新しいレイヤーを作り、色鉛筆で縁をはっきりとさせます。
水差しも同じように色域選択から、油彩ブラシで陰影をつけます。
この水差しは金属を打ち付けて形作った物なので、あまりぼかさずに油彩ブラシの点描で表面の質感を出してます。
色鉛筆ブラシで仕上げます。
壺の時よりも線がしっかり見える感じで描きました。
浴槽と小物二つが完成しました。
仕上げてない他の部分との差が激しいですねw
お次は家具や床、壁、窓ですね。
さて、うまくいくでしょうか?
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今回は家具類と床、壁を仕上げて、背景の完成を目指します。
まずはいつもの如く、色域選択で塗りたい家具の部分だけを選びます。
今現在の画面はこんな感じ。
小物や家具類はフォルダ分けしているので、フォルダごと非表示にすれば作業がしやすいです。
油彩ブラシで木目をつけます。
ブラシの設定ですが、絵の具濃度や絵の具量がかなり低めの設定です。
こうするとベタっとした塗りでなく、やや掠れた感じになるんですよね。
ちょ~っとわかりづらいですが、色味を変えて重ね塗りしてます。
この時レイヤーは別レイヤーで色を重ねてます。
同じレイヤーだと色が混ざって筆致がぼやけるので、あえて別レイヤ―で筆致がぼやけないようにしてます。
木目らしいスジがでるように重ねていく感じです。
同じようにレイヤーを重ねて、少しずつ色を変えて木目らしい質感にしました。
赤みの強い茶色や、やや青みがかったこげ茶、明るめの黄みがかった茶色などですね。
主線のレイヤーを非表示にして、色鉛筆ブラシで縁やスジをつけて仕上げます。
角や座面の下のラインは濃い目に。
ハイライトは上部の端っこや、座面が少してかるような感じで。
色鉛筆で細かくスジをつけると、一気に木目らしい質感ができますね。
お次はもう一個の家具。
こちらも椅子と同様に色域選択をして、油彩の平筆で木目調になるように色味を重ねていきます。
家具2のフォルダーの一番下が下塗りの色なんですけど、そこから5層重ねて木目を作りました。
重ねすぎ……かもしれないw
主線レイヤーの濃度を下げて表示してます。
こうすると色鉛筆の仕上げがしやすくなります。
影になる部分や角はくっきりと濃い目の線を。
ハイライトは上部やところどころにスジをいれてます。
スプレーブラシで影をつけるのも楽でいいのですが、こうした線を重ねてつける影が好きなんですよ。
どうしてもこういう筆致を残したいので、こんな画風になりますね。
取っ手が気に食わなかったので変えました。
そういえばこないだテレビでキュビズムの家具を見たんですが、すごく素敵だったんですよね~。
こういう絵を描いていると、家具デザインとか研究したくなりますね。
現在の全体図はこんな感じ。
浴槽で棚の下部はほぼ隠れちゃってますねw
お次は床です。
家具や小物を非表示にして作業していきます。
フォルダ分けしているので、フォルダの横にある目のアイコンとぽちっとするだけ。
使うブラシは、『▲水彩マーカー/2色』というブラシ。
これはネットで無料でとってきたブラシで、その名の通り水彩なんだけどマーカーっぽい感じになるやつです。
二色というのは選んだ2色のカラーで描けるというもの。
下のパレットの二色、濃い目の赤と紫で塗ります。
塗るとこんな感じ。
筆圧やペンを動かす速度とかで、色味が変化するので、二色ブラシ系は結構好きです。
水彩マーカーなので淡く重なっていく感じと、独特の風合いがお気に入り。
色味が少し浮いている感じがするので、レイヤーの合成方法を変えます。
レイヤーの上の方に『通常』とあるところを触るとこんな表示になります。
今回は乗算を使います。
レイヤーの合成方法については、結構使える機能なのでお勧めです。
何がどう違うのかは説明できないので、ご自分であれこれ試してみてくださいw
乗算にするとこんな感じ。
影の部分をつけたりするのに重宝します。
床一面に塗りました。
何かちょっと血生臭そうな雰囲気だな……w
ちょっと濃くなりすぎちゃった時は、レイヤー濃度を下げます。
先ほど触ったレイヤー合成方法の横にあるバーを触ります。
不透明度を65にしました。
レイヤー濃度を下げるといい感じに。
これで殺人現場っぽさを脱しましたねw
これだけでは質感がちょっと物足りないので、もう一つブラシを使って重ね塗りします。
使用するのは油彩ブラシのドライガッシュ。
濃い赤紫ですね。
ドライガッシュは塗るとこんな感じです。
濃い目のモヤモヤ(下)と、薄く霧状(上)と。
筆圧でこんな風にかわります。
質感に特徴のあるブラシです。
ここで更に質感を変えていきます。
ドライガッシュのブラシの設定で、紙質を選ぶことができます。
『画用紙』をクリック。
こんなボックスが出てきます。
テクスチャのキャンバス地を選びます。
先ほどの紙質が、画用紙からキャンバス地になりました。
ちなみにブラシの設定をあれこれ変えた後に、初期設定に戻したいときは、スパナのアイコンの左横の点線円をぽちっとすると初期値に戻ります。
紙質を変えてドライガッシュを使うとこんな感じ。
左はブラシサイズが300
右はブラシサイズが最大2000
モヤモヤ~っとした色味の中身に、キャンバス地の模様が浮き出て良い感じの風合いがでますね。
今回は最大サイズのブラシで塗ります。
※ドライガッシュはブラシサイズを上げると、PCの速度がガタ落ちするので使うときはお気をつけください。
ドライガッシュを全体に塗りました。
▲水彩マーカーのレイヤーを表示します。
ちょっと濃いかな?
ドライガッシュのレイヤーの合成方法を、スクリーンというものに変えます。
スクリーンに変えるとこんな感じ。
濃すぎず、キャンバス地の風合いが良い感じに水彩マーカーと重なりました。
床の質感が出来たので、今度はタイルの目地部分ですね。
タイルの主線のレイヤー濃度を下げます。
この線を生かしつつ、私らしい画風に合うように色鉛筆で仕上げていきます。
紫の色鉛筆ブラシで、目地の部分を重ね塗り。
この時主線レイヤーよりも上層に色鉛筆ブラシのレイヤーを作って、そこに描き込みます。
十字の部分を特に濃い目に。
ハイライトは薄い黄色で、線で描いていきます。
床が仕上がりました。
タイルの主線はレイヤー濃度を下げたまま、表示しております。
主線を後で非表示にしたり、濃度を変えて使用したりするので、主線もパーツごとにレイヤーを分けておくのがおすすめです。
お次は壁を塗っていきます。
床と同じように、▲水彩マーカー/二色のブラシを使います。
色は肌色っぽい色と、くすんだ水色です。
壁を塗るとこんな感じ。
仕上げる時は、壁の主線濃度を下げて作業します。
壁の隅の部分につける影は、油彩ブラシを使用します。
絵の具量や濃度がかなり低めです。
壁の立体感を出すように塗りました。
ちょっとぼかしたりもしてます。
塗った後に、青系の色味だとなんだかカビっぽい……と思ったので色を変えることに。
折角なので色調補正を使ってみます。
編集 → 色調補正 → カラーバランス
こんなボックスがでました。
適当にいじって、赤系の色味に変えます。
一度で足りない場合は、もう一回色調補正でカラーバランスを変えると、どんどん赤系にできます。
壁の影が良い感じになったら、主線を非表示にして色鉛筆ブラシで線をつけます。
影の濃い所を色鉛筆も濃くすると、線と塗った色がなじみます。
窓枠も色鉛筆で仕上げました。
壁面も色鉛筆の線を重ねて風合いを出してます。
床や壁が完成しました。
小物や浴槽を表示します。
ちょっと背景から浮いた感じになってますね。
色鉛筆ブラシを使って壺や水差し、浴槽を背景になじむように仕上げます。
背景が赤や茶系なので、色鉛筆の色も茶系です。
浴槽は滑らかな質感を損なわないように、使っている色味より少し濃い目の灰色で縁を強調。
あと猫足をつけました。
とりあえずはこれで背景が完成です。
といっても家具や浴槽の影が付いてないですよね?
背景のみで完成させるなら、ここから陰影をつける作業なんですけど、人物がここに入ってきますので。
人物をいれてから、最後の仕上げに光の効果や影をつけて、全体を整えます。
てことで次回からようやく人物!
この作品がマッチョなのに、ようやく……です!w
~~~~~~~~
背景が完成したので、お次は人物を描いていきます。
背景は浴槽だけを表示して、ラフ画の線を表示します。
浴槽を残したのは、ペン入れをする際に不自然なラインにならないようにする為です。
ラフ画の線はペン入れの際に見やすいように、色を青にしてあります。
編集 → 線の色を描画色に変更
主線は濃い鉛筆ブラシのこげ茶です。
主線はこんな感じになりました。
右手とおしりが一部欠けてますが、浴槽が被る部分なので描きません。
浴槽のレイヤーよりも上層に人物のレイヤーがあります。
人物の肌色を塗りました。
掲載の都合上パンツのラインを入れております。
背景色に紫を塗って、塗り残しのチェックをします。
主線の部分に塗り残しができるので、これを肌色で潰していきます。
浴槽と主線を表示して、今度は浴槽と人物が重なる部分を綺麗にします。
人物のレイヤーの方が上層にありますが、配置的には浴槽の縁が、右手とお尻に重なっているので、縁の部分が自然に見えるようにラインを整えます。
髪の色も塗りました。
ここでちょっと、左足が小さいかなと思ったので修正します。
主線のレイヤーで、なげなわ選択で拡大する部分を選びます。
少し大きくしました。
拡大したので線と下塗りの色がずれてしまいました。
ずれた主線と下塗りを修正しました。
左手も少し小さいような気がしたので、修正します。
先ほどと同じようになげなわ選択で手首から先を選びます。
左手を少し大きくしました。
左手のずれを修正しました。
背景を表示します。
パンツは何となくヒョウ柄にしてみましたw
最終的には履かないんですけどね。
下塗りの肌色を色域選択で選んで、油彩ブラシで筋肉を作ります。
女性の肌の時はスプレーブラシを使いましたが、男性の筋肉質な肉体は、スプレーブラシよりも筆致の出やすい油彩ブラシがいいかなと思います。
一見いろんな色を重ねているようですが、肌色1色だけでブラシのストロークを重ねています。
油彩ブラシの設定が、絵の具量と濃度がかなり低めの設定なので、筆致を重ねてより濃くしていく感じです。
乳首を描きました。
この形と位置と色が難しいですね……。
でも無しにするとそれはそれで変な感じなので。
ちょっとわかりづらいですが、ピンクのスプレーブラシで薄っすら陰影をつけました。
こうすると血色がよく見えます。
更にレイヤーを重ねて、影が濃くなる部分に色味を載せます。
ここではっきりと暗い色を使わないのは、最後の仕上げの段階で部屋全体の色味と合わせる為です。
パンツを青のチェックにしました!
……ではなくてw
主線の色を、こげ茶から赤みの強い茶色に変更してます。
この後主線をどう直していくか若干悩みました。
色鉛筆で早々に修正しようか、どうしようか……。
結局主線は最後の仕上げの段階で陰影を生かす為に、光の当たる部分を中心に削ることに。
消しゴムツールの柔らかいブラシで、主線を削りました。
ここで何となく顔が不自然じゃないかと思って、顔の修正案を考えました。
迷走中……。
迷走中……。
結局元に戻るw
顔部分の肌の塗りは消してしまったので、もう一度塗り直しました。
うっすらと唇に色を載せ、頬に赤みをさして、艶玉をプラス。
次は髪の毛を塗ります。
髪の毛のブラシは油彩ブラシの設定をこんな風にいじってつくりました。
設定を変える際は、スパナのアイコンを触るとウィンドウが開きます。
”入り”と”抜き”の設定をいじると、ブラシの描き始めと描き終わりの線の細さを変えたりできます。
今回は抜きの値を大きくしたので、ブラシの描き終わりがより細くなります。
髪の毛の影の部分を塗りました。
抜きの値を大きくした油彩ブラシなので、シュッと描いた影の先がしっかり細くなってます。
同じ油彩ブラシで、今度は明るい部分を塗ります。
髪の毛に艶が出るように。
全体では現在こんな感じ。
主線を大分削ったので、人物の輪郭が少しぼんやりとしてますが、最終的に背景と一体化させる感じにするために、主線ではっきりと人物を描くのではなく、背景の影を強調することで人物を浮かび上がらせる予定です。
ここでちょっと棚が人物に被っているのが気に食わないので、家具の位置をずらします。
背景はこのようにフォルダに分けて管理をしているので、フォルダを選択した状態にします。
フォルダを選んだ状態でなげなわ選択で家具を選びます。
家具の位置をずらします。
この時フォルダの外に、家具に関するレイヤーがあると、フォルダに入っていない分は取り残されてしまうので、きちんとフォルダの中に入れておくことが大事です。
棚の位置をずらして、人物の後ろがすっきりとしました。
人物の大体の塗りは、今回はこれで終わりです。
もっとしっかり塗らないの?となりそうですが、背景の仕上げの段階で調整するほうが、陰影が自然な感じになると思ってあえてここで止めてます。
次回は浴槽のお湯張りと、最後の仕上げをして完成の予定です。
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いよいよ湯船にお湯を張って、絵を仕上げていきます。
ここから完成を目指していきます。
あ、髪の毛の表示が……使いまわし画像ですw
パースとそれに沿ったグリッドを表示します。
網目は少し細かめに。
パースに沿ってお湯の水位を設定します。
グリッドを目安にして、水面との境界線を引きます。
身体に沿って水位のラインに自然な丸みをつけます。
お湯を塗っていく前に、範囲を選択して塗りやすくします。
肌色の下塗りのレイヤーで、色域選択をします。
人物の肌の部分が選択されました。
選択範囲を反転させます。
選択範囲 → 選択範囲を反転
こんな感じで人物の肌以外が選択されました。
こうして塗ると、脇や腕などの水面より上の部分に色がはみ出ないので、塗りやすくなりました。
人物以外のお湯を塗りました。
浴槽との縁の部分は、はっきりとした線で分かれてないので不自然にならないようにラインを整えます。
浴槽の隅の部分に丸みをつけます。
柔らかい消しゴムツールですると、ふちが自然な感じになります。
浴槽の厚みと形を意識したカーブにすることが大事です。
選択範囲を解除して、人物に被るお湯の部分も塗ります。
お湯を塗ったレイヤーの濃度を下げます。
半透明になって水面下にある人物の身体が見えます。
水面下で特に影になる部分を暗く塗ります。
掲載の都合上パンツを履いてますが、実際に色を塗る際はパンツは非表示にして発色を見ております。
身体でできた影を浴槽の底につけます。
身体との境界を影ではっきりさせるように。
油彩ブラシで水面の波紋を描きます。
濃度の設定はこんな感じ。
色混ぜの、指先のブラシで波紋に揺らぎをつけます。
このブラシでなぞると、描いた線がストロークした方向へ伸びます。
色が混ざるというよりは、どんどん歪んで伸びていく感じです。
波紋のレイヤーの合成方法を加算に変えました。
水面らしい光の反射です。
同じ方法で、今度はもっと濃い白でやっていきます。
強く光が反射するイメージです。
ちなみにレイヤーはそれぞれ分けます。
強い光の反射も、指先ツールでなぞって水面らしくしました。
影になる濃い青でも同じ手順でやってます。
お湯張りはこれで完成。
ほぼすべてのパーツの塗りが完成したので仕上げていきます。
まずは全体の明るさや色味を調整する為に、新規レイヤーを作ります。
合成方法は焼き込みカラー。
オレンジ色のスプレーを使います。
最初は別の色だったんですけど、仕上げの段階ではかなり細かく調整や変更をするので、最終的に完成させたイラストで解説してます。
スプレーするとこんな感じ。
全体的に赤みを帯びて、影の部分がより濃くなった感じです。
既に最終調整済みなので、一部色が不自然に消えておりますが、これでOK。
実際は全体にムラをつけながら塗って、後でバランスを見ながら不要な所を消しゴムで消してます。
もう一枚レイヤーを焼き込みカラーで重ねて、この色のスプレーを使います。
うっすら紫色っぽい色味になりました。
あまり青が強い紫だと全体の印象に合わなくなるので、この程度で。
二つの焼き込みカラーのレイヤーを同時に表示するとこんな感じ。
一つの色味だけだと、単調になるので、二つの色味を使って変化を持たせてます。
ここでちょっと人物の筋肉の影が、どぎつい感じなので、レイヤーの濃度を下げることに。
油彩で塗った筋肉のレイヤーを50%くらいの表示にしました。
今度は人物全体に影をつけます。
窓から光がさしているので、若干逆光の様になっているイメージです。
ちなみに窓の色はクリーム色に変更しました。
お次はこの灰色。
特に影になる部分に、この色をスプレーします。
レイヤーの合成方法を乗算にすると、うっすら紫がかった影になりました。
お風呂に入っているので、水滴を髪の毛につけます。
普通に鉛筆ブラシの白で、毛先に水滴をつけます。
毛先以外にもちょっと散らしてます。
足のカーブに沿って水滴を垂らします。
身体の主線の外に水滴をつけると、奥に水滴がついているように見えるので、より立体的に見えます。
ちょっとわかりづらいですが、髪の毛に光を足してます。
明るめの黄色の色鉛筆ブラシで、ところどころにスジをいれてます。
別レイヤーを作り、合成方法を覆い焼き(発光)にして、同じく色鉛筆の黄色で色を載せます。
雰囲気のある発色になりました。
濃い鉛筆ブラシの白で、ところどころに一本ずつ毛を足します。
茶髪のキャラですが、軽やかさを出すために、光で反射している毛を表現してます。
他の毛束から毛先だけ少し跳ねているようにすると、自然な感じになります。
根元からがっつり描いてしまうと、白髪っぽくなってしまうので注意。
お気に入りのブラシを使います。
ネットで拾ってきた光の効果を出せるブラシです。
空気感オーブ/塵
レイヤーの合成方法を覆い焼き(発光)にすると、こんな感じで光の粒が舞います。
ちなみに通常レイヤーに戻すと、こんな色。
他の色でも使えます。
身体の他の部分にも、この空気感オーブのブラシを使いました。
肌についた水滴っぽくなりました。
ここでちょっと視線を中央に寄せたいと思い、四隅を暗くしてます。
油彩ブラシのドライガッシュを使用。
レイヤーの合成方法は減算で、カラーは少しくすんだ水色。
四隅をこれでモヤモヤとなるように塗って、さらにキラキラカケアミ消しゴムで、カケアミ風になるように消してます。
更に視線が中央に来るように、窓から光を差しこませます。
黄色のスプレーブラシで、レイヤーの合成方法を覆い焼き(発光)にして、光の筋を描きました。
ここまで来たらあとは最後の仕上げです。
使うのはこの2色。
灰色と茶色の色鉛筆ブラシで、浴槽の影の部分を塗りました。
レイヤーの合成方法は乗算。
腕や足がのっている所の影をしっかりとつけてます。
筆致が気になるところは、ぼかしていきます。
先ほどの二色の色鉛筆ブラシで、今度は人物の影の部分をしっかりとつけます。
脇や足が重なる部分、足の裏など。
影が濃くなる部分には、灰色のブラシを使ってますが、レイヤーの合成方法を乗算にすると、こんな感じで紫っぽくなります。
顎のライン、首の筋、脇などは、赤みの強い影だけでなく、紫がかった影が入ることで、影が単調にならず雰囲気がでます。
足の組んでいる所と足の裏はこんな感じになりました。
奥行がより出た感じです。
最後に全体に光を飛ばして完成になります。
これもネットで拾ったお気に入りのブラシ。
BOKEブラシ
使うカラーはエメラルドグリーンで、レイヤーの合成方法を覆い焼き(発光)にします。
全体に光を散らしたら完成です。
光の効果のレイヤーと、仕上げの最初に載せた焼き込みカラーのレイヤーのおかげで、背景と人物に一体感が出ます。
水差しの陰影がとってもいい感じ。
だらんと下げた手。
我ながらいい出来♪
四隅のカケアミの影も全体の雰囲気に合ってます。
ナイル君、気持ちよく寝てますね。
ナイル君のお風呂シーンの挿絵はこれにて終了です。
こちらの挿絵を使ったお話は
『うらばら!男装騎士は喜劇のヒロイン』という作品で掲載予定です。
次回はどんなマッチョなイラストを描きましょうかね?
お楽しみに!(。-`ω-)
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お読みいただきありがとうございました。最後にドヤ顔で次はどんなマッチョイラストにするかと言ってますが、次がなかったこの作品wだめじゃんw
あと今から見ると、これお風呂なのに湯気が無いっていう。水風呂じゃん!w
壺の描き方も対称に描ける定規使えば良くね?なんですけど、当時はそれの使い方知らなかったんですよね。
更には画像サイズも何故これにしたんだ……ってサイズ感だし、ツッコミどころ満載です。ま、しょうがないw
今後はもっとレベルアップした作画をお見せできるように頑張りますね。
それでは次いきましょー!