24:FAその10 【四音の詩】(2019.6.29)
良い小説ってのは、作画にも良い影響をくれるものです。
次のFAはお気に入りの一枚。
とんでもFAも好きだけど、こういうキャラの心情や境遇を表す系のFAって好きなんですよね~。
上手く表現できた時に「よっしゃ!!」って思うし。
描いたのは3年前ですが、今見ても心にグッとくるところがある。自分で描いているからなおさらかも。
それでは当時の製作日記をどぞ( ^^) _旦~~
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【インド人とウニ企画】の投稿作品、康典様へのファンアートとなります。
作品:【四音の詩】
作者:康典様
https://ncode.syosetu.com/n1745fp/
こちらの作品、四音の詩、一体どういう詩なのか?気になる方も多いでしょう。
ぜひとも作品をごらんくださいませ★
こちらは詩もそうですが、四季の移ろいも描かれております。
時と共にかわっていく二人の関係。
いずれ訪れる別れ。
彼等の間にある越えられない壁。
自分の目指す未来、そして焦燥と不安。
様々な感情がその中で彼らの中に沸き起こり、読者の心に迫ってきます。
とても切なくて、それでも前向きな希望をもらえる作品です。
どうやってこの作品のFAを描こうと考えた時に、小説の最後の部分に着目しました。
そしてそのシーンを思い出のように切り取って絵にしております。
今回は彩色はあえてせずに、線画のみでかいております。
主線はたしか鉛筆ブラシですね。
線画のみの時は特に表情や人物描写に気を付けるのですが、男の子は色々と悩みを抱えた青年ということで細身のちょっと頼りなげな感じに。
女の子は、インドの女性なのですが、あえて髪型をショートにさせております(作者様に許可をいただきました)
インド女性は長い髪を切る事があまりないそうですが、このヒロインは強い決意をもって日本へとやってきたという設定で、そうしたインドの古い慣習への反発心のようなものがどこかあるのではないかと思いました。1年だけの日本で得られた自由。インドの古いしきたりが残る中で、学問の道を必死で切り開いてきた強い女性。彼女の決意と強い想いをこの髪型の中に表現したつもりです。
さて、線画はこのように描いたのですが、この紙の風合いアナログで印刷した風にみえませんか?
これはネットでひろってきたオートアクションで、再生紙に印刷したようになるものです。
このオートアクションは線画などの単純な画法で描かれたものに適しているようで、例えるなら漫画雑誌の印刷のようになるものです。
色調もこれに合わせたグラデーションマップ搭載で、その中から好みの紙とインクの色を選べます。
最後にレイヤーで再生印紙風のトーンを重ねて完成。
このオートアクションってのは面白いですね。
決まった動作をペイントソフトの中でやってくれるのですが、かなり複雑な工程を全部オートでやってくれるので、自分では到底できないような加工もできます。(ホントこのオートアクションを無料で配布している方がすごい!)
他にもいろいろと拾っているのですが、自分で作れる気はまったくしないですw
このFAの加工は、彼らの大事な思い出の1ページにマッチしたのではないかと思います。
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作品の世界観や心情に寄せようと頑張っている自分。何か凄い真面目w (まるで今が不真面目かのような言い方w)
色々考えながらやってんだな~。今では作品を読まずに絵を描くこともありますが、やはり基本は作品を読んで作画したいですね。
ただ読んでしまうと思い入れが強くなる分、作者様のイメージよりも自分の考えを優先させてしまうかもしれないので、どっちがいいかは微妙かも。
まぁでもFAについては、作画している人間の思い入れがあっていいと思うんですよ。なにせファンアートですし(*^-^*)
この企画の時は好きに作画させてもらってたんで、自由にのびのびと描いてました。もちろん苦労したこともありましたが、終わってみて楽しかったことばかり印象に残ってます。
また機会があればやりたいね☆
それでは次いきましょー!