100:第四回イラ交 初心者部門 作者:夏まつり様 (2023.09.05-10.08)
和服キャラをもっと描きたくなった一枚。
お次は2022年のイラスト交換企画です。
毎年この時期になると、わくわくそわそわするんですわ。絵師様が決まってもいないのに、どのキャラ依頼しよっかな~ってw
勿論描く方も本気でがんばりますよ!(`・ω・´)
てことで当時の製作記事をどぞ( ^^) _旦~~
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★キャラクター依頼内容★
【部門】初心者ウェルカム部門
【絵師】雨音AKIRA
【作者】夏まつり
【出演作品】記憶喪失の巫女は龍の王に溺愛される
【作品URL】https://ncode.syosetu.com/n3717hv/
【ジャンル】異世界〔恋愛〕
【名前】ニゲレオス
【性別】男
【種族、人種】龍族(※普段は人型に化けている)
【年齢】328歳(※人型をとっているときの見た目は25くらい)
【身長】182cm
【体重】70kg前後
【髪型・髪色】やや長めのショート。髪色は黒。
【目つき・目の色】黒
【肌の色】普通
【体型】細マッチョ
【服装】和風ファンタジーなイメージですが、普通の和装でも。服の色も黒でお願いします。
【表情】大人っぽい笑みが見たいです。
【性格】落ち着いた性格で声を荒らげるようなことはなく、誰にでも優しい。責任感が強く、龍の王として大地を守る役割を果たし続けようと考えている。あまり表には出さないがさびしがりや。
【その他】名前の意味は「黒」です。混じりっけのない純粋な黒をもつ龍、という設定にしていますが普通の黒だと思って塗っていただいて構いません。
今回作画をしますのは、和風キャラ。実は和風キャラの作画はほとんどしたことがありません。
資料を見させていただきながらとりあえずはラフ画を作りました。
①↓とりあえずの着物男子
手持無沙汰だったのでキセルを持たせました。
着物は黒の予定。髪色も黒ということで、色合いがちょっと寂しいので、背景や小物などで色味を入れる事に。
次に配色を考慮しつつ、全体の構図を考えます。
黒に合う色ということで赤色が欲しいなと思い、野点傘を入れる構図を考えます。
普通に茶屋の椅子に座っている画でもよかったんですが、ふとここで小舟に乗っているのもいいなと思いました。水面が光に揺れる表現なんか、龍であるこのキャラに合うんじゃないかなと。
他にも差し色と和風っぽい華やかさの為に、藤の花をいれました。
②↓カラーラフ
構図と配色をセットで考えた結果、こんな感じで進める事にします。
③↓カラーラフ修正
ここで背景の水面の色合いが平面的だったので、奥を光で照らすことで奥行を表現します。
幻想的な雰囲気の絵にしたかったので、はっきりとした建物などで奥行を出すのは違うかなと思い、陰影や色彩表現のみで空間の表現をします。
④↓人物や船の形を修正
構図が決まったので、今一度ポーズや船の形を修正します。ラフ画の段階でやらないと、後の修正が大変なので本番前にしっかりと練ります。
⑤↓ちょっとだけサイズ調整
最初のラフだと人物と小舟の大きさの比率が可笑しい気がしたので、人物を小さめに、小舟を大きくしました。また小舟全体が入るように、引き気味の構図になりました。
⑥↓線画
人物や船などの線画を引きます。
一番難しかったのが着物のライン。洋服と違って皺がどのような形になるのか予想つかず、資料とにらめっこして何とか描きました。
藤の花もこれまた細かい作画が必要な花ですので、模写で何度か練習してから本番描きです。
⑦↓背景のベース塗り
人物を塗る前に背景のベースを塗ります。全体的な雰囲気に人物も合わせたいので、先に下塗りだけしておきます。
⑧↓船、傘、人物、藤の花のベース塗り
ベースカラーを塗ります。色ごとにレイヤー分けをして、そのレイヤーにクリッピングすることで陰影などを塗り込んでいきます。
⑨↓陰影をつけつつ徐々に塗り込み
小舟は特に木目があるので、ムラ感が出るように塗り込みます。
⑩↓人物を塗り込んでいきます
影は人物の奥から光が当たっている感じにします。
着物は黒一色でと考えていたのですが、やはりちょっと寂しいので模様をつけることに。鱗の模様が描けるブラシで適当に柄を入れていきます(2色指定でオーバーレイで重ねました)
あえて色むらを出す為に、オーバーレイや覆い焼き発光のレイヤーを複数重ねて、色彩の物足りなさを回避。
⑪↓藤の花を三種類作成
こういう細かい物を塗る時は、自動選択ツールで藤の花ではなく背景の方を選んで、選択範囲を反転し、それを塗りつぶすやり方が楽です。すると大まかに塗りができるので、後は細部を調整するだけで済みます。間の細かい部分も塗りつぶされているので、不要な部分だけ透明色のバケツで抜いていく感じです。これだと茎などの細かい部分を塗るよりも楽にできます。
後はクリッピングして陰影や茎の色などを塗っていけばOK。
⑫↓藤の花を配置
3つ作った花を奥行が出るように配置していきます。
縮小したり左右反転させたりして、コピペ感を回避。元の絵を数種類作っておくとこがみそです。
⑬↓陰影の効果を付けます
まだ全部を塗り込んでいないですが、全体が出来てきたので光の効果を入れてバランスを見ます。
ある程度の段階で効果をいれることで、完成にグッと近づくので、最後まで描き切るモチベーションがあがりますね。何せ陰影の効果を付けるのって楽しいですし。
ここでは幻想的な雰囲気を壊さないように気を付けています。
先に効果を入れると、最終的な完成形を意識しながら作画できる利点があるのでおすすめ。あとは中々完成しなくて疲れちゃったときのモチベーションのあげる方法にも使えます。
勿論最後の最後にもう一度効果を調整することもお忘れなく。
⑭↓グラデーションマップで色味を調整します。
そのままでも良かったのですが、背景の水色を紫寄りにすることで、更に幻想的な雰囲気にしました。
また水色だと青空が反映しているような印象で昼間っぽい感じになるので、人物の陰影と合いません。それを修正する為でもあります。
⑮↓小物類を描きこみます
何となく後回しにしていた小物類を塗りました。モチベが上がったおかげで完成まで何とかこぎつけられそう。
⑯↓全体の陰影を整えます
完成!……と思ったけど何か忘れている気がする。
はっ!羽衣!!( ゜Д゜)
⑰↓てことで羽衣を描きます
神様らしさを出す為の羽衣を追加。色をどうするか最後まで迷っていたのですが、透明度の薄いブラシで何となく描いたらいい感じに透け感がでたので、そのまま光の効果を追加して一応完成。
⑱↓最後の仕上げをします
表示中のレイヤーのコピーを結合します。
⑲↓結合したレイヤーをガウスぼかしでぼかします
⑳↓ぼかしたレイヤーを元のレイヤーにオーバーレイで重ねます。
100%で重ねるとこんな感じに。影色は濃く、色は鮮やかさを増し、明るい部分は更に明るくなります。
だいぶ白く飛ぶので、色々とごまかしがきくようになりますが、100%は流石にやりすぎ感がありますね。これもまたこれでいい感じではありますが。
㉑↓オーバーレイを60%くらいにしたもの
オーバーレイ無しのものよりも随分と柔らかくなりますね。ただ画面だと縮小で表示されているので、ちょっとぼやけた感じになっちゃうかな。
㉒↓オーバーレイを30%くらいにしたもの
先ほどよりも線や筆のタッチがはっきりと出ます。
㉓↓60%のものをトリミング
トリミングした構図の方がキャラがアップになっていい感じに。
㉔↓30%のものをトリミング
てことで完成です☆
完成品をどれにするかははお好みですが、トリミングの60%のものにさせていただきました。キャライラストなのでアップの方がいいかなと。あとふんわりした雰囲気がいい感じかと思いまして。
初めての和風キャラということで上手くできるか心配でしたが、なんとか完成しました。
和服のアレンジも色々できればよかったのですが、和服作画初心者にはちょっと難しかった。でも和服が普通な分、藤の花や小舟などの他のアイテムを描くことで、イイ感じにごまかすスキルを身に着けられたんじゃないかな(笑)なんだかんだでよく描けたのではないかな~と思います。
夏まつり様★素敵なキャラを描かせていただきありがとうございました!
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我ながらうまく描けたと思った一枚。藤の花は、植物の描き方の本を読み、作画練習をしてから本番に臨みました。細かくて描くの大変だけど、こうして完成するとすごく見映えがいいんですよね~。
それでは次いってみよー!