表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の魔女  作者: hinano
第一章 旅立ち
2/3

昔の話+クロエの話


昔々、あるところに狼男がいた。その狼男はとある村の少女を好きになり、狼男だということを隠して合い恋人になった。彼女の胎には子が出来た。


普通は出来ないはずの子が……狼男は自分の正体を明かし、彼女に産んで欲しいと懇願した。

しかし、彼女は彼がバケモノでも彼を愛していたから産んだが産後の肥立ちが悪く死んでしまった。


狼男は嘆き悲しんだ。


自分が「彼女に産んで欲しい」などと言わなければと……。それでも、サラアワであるラキのことを5歳まで森の中で育てて、とうとう耐えきれなくなり崖に自分の身を投げて自殺した。


※サラアワ・・・半狼人間


☆☆☆☆☆☆


クロエは村を出て直ぐに小さな犬を拾った。


「この薄汚い犬は何?」


「ッグク、、、ヴルゥゥッ」


彼女は茶色く汚れところどころ血が滲んでいる多分犬だろうと分かる動物に会うのが初めてだったのである。言葉に悪意はない。


「まあ、愛嬌は多少あるかしら?ダメだったら、綺麗にして召喚魔法の供物にしよう。」


そう、楽観的に考えたクロエはひょいと瀕死の犬を拾い上げ、「スリープ」と唱え唸っていた犬を眠らせた。


彼女は犬に結構魔力持ってかれたなと思った。


「本当に汚いわね。」


クロエはすぐ側に流れていた川で犬を洗った。じゃぶじゃぶと。


辺りが暗くなりつつあったので川でとった魚を火の魔法で焼いて食べてまだ意識が戻らない犬を抱えて樹洞に籠って寝た。


「………………わんっ、ワン!ワン!ワン!」


「っうっるさい。……何?お腹すいたの?」


朝は犬の鳴き声で起きたので、クロエの機嫌はひどく悪い。


「わん!!」


クロエの言葉が理解できてるかのように犬は鳴いた。


「これ、村から持ってきた保存肉。多分、動物も食べれるから食べなさい。昨日とは対応がだいぶ違うのが引っかかるけれど、気にしないことにするわ。私、優しいから。」


クロエは犬と一緒に硬い硬い肉をしゃぶって食べた。犬も嬉しそうに見える。


「犬、あなたその傷痛む?」


「っわん!」


「そう、《肉よ、戻れ》」


「わん? わん!ワン!?」


犬は怪訝そうにしていたが、自分の傷が消えていることに気づき興奮した。


クロエはどこか誇らしそうだ。


「そういえば、今日歩けば森を出れるから久々にベットで寝れるの。犬、急ぐわよ。」


犬は大きく頷いた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ