ピパロン王国警備隊 第2話 パトロール
第2話 パトロール
ピパロン王国警備隊の重要任務の一つに、国内のパトロールがある。これは我らがトーマ隊長とルミ隊員隊員のパトロールの一コマである。
〇穏やかな日
早くもトーマ隊長は仕事に飽きてきたようだ。そもそも仕事なので飽きてくるとか言うのもおかしな話ではあるが。
「うーん、腹減った~」
早速、トーマ隊長のぼやきがはじまった。
「まだ11時ですよ。」
呆れた声でルミ隊員が時計を示す。
「今日は朝から何もおきてないし、昼飯にしないか?」
「トーマ隊長は遅番なのでお昼休みは13時からって決まっています!そんなこと言ってないで仕事してください。」
そう言って書類に手を伸ばすルミ隊員隊員だが・・・
「う~、なにかいい手は・・・そうだ、ルミ隊員、パトロールに行こう!」
「やっと仕事やる気に、なりましたか。」
今日はまだパトロールに出ていない。トーマ隊長がやる気になりホッとするルミ隊員。
「いつだってヤル気十分だ。出発~」
と、急に元気になったトーマ隊長だが、もちろん、仕事のやる気が出てきた訳ではなく・・・
〇パトロール中
車で見回りである。運転はルミ隊員。
トーマ隊長がルミ隊員に話しかけた。
「トイレに行きたいから、あそこの駐車場で停めてくれないか?」
「え、仕方がないですね。」
ルミ隊員か車を寄せると、早速、トーマ隊長が飛び出して行った。
「ちょっくらごめんよ。」
~ 15分後
「遅い、遅すぎる!
これは何か事件発生かも。
探しに行かなきゃ!」
〇ラーメン屋で
「うーん、ここのラーメンはいつ食べても美味いな~。」
ルミ隊員がラーメン屋に入ると、トーマ隊長は満足した顔でラーメンをすすっていた。
「いましたね!またラーメンなんて食べて。まだ11時なのに。」
お怒りのルミ隊員と満足げのトーマ隊長。しかし、この間をすり抜ける人影が!
「どいたどいた~!」
突然、客の一人がルミ隊員を突き飛ばした。
「うわっ!」
「何やってんだ!アイツは食い逃げ犯だ!オレはお腹いっぱいだから頼んだぞ!」
素早く部下に指示するトーマ隊長。
「え、あ、はい!」
何故、トーマ隊長は追いかけないのか、不審に思いつつも、犯人を追ってルミ隊員も走る!
果たして・・・
〇食い逃げ犯VSルミ隊員
「待ちなさい!食い逃げ犯!」
「ははぁん嫌だよ〜べろべろべ~」
なんとも憎たらしい食い逃げ犯!
「くぅ~!絶対に逃がしません!」
全力で追うルミ隊員!もう少しで追いつきそう。すると、食い逃げ犯はポケットから何かを取り出した。
「こうなったら、必殺バナナの皮~!」
ルミ隊員の前にバナナの皮を落とした。
「口で言ったら、バレバレですよ!」
ルミ隊員は当然スルリとかわし・・・とはいかず、バナナの皮を踏んでしまう!
どって~ん☆
「あ、あいたたた...」
勝ち誇る食い逃げ犯!
「バレバレだとか言ってたくせに。ププッ
じゃ、バイバイな!」
「くぅ~悔しい!あんなに悪口言われて逮捕出来ないなんて...」
トーマ隊長が遅れてやって来た。
「ハァ、ハァ...ルミ...隊員。食い逃げ犯は?」
「逃げられました...」
がっくりうなだれるルミ隊員。
〇逃げられたって
その後・・・
トーマ隊長「そう言えば、ピパロン城の方向に走っていったよな。警備隊に捕まらなかったのか?」
ルミ隊員「あ、捕まったそうですよ。逃げたって無駄無駄。」
トーマ隊長「でも、バナナの皮で転ぶのは、面白かったぞ。」
ルミ隊員「ん〜っ!嫌な事言わないで下さい!」