負けられない
森宮の勝利に終わったゲームをよそに四条と角川は寮の一室に帰っていた。
寮に着いた頃に流川先生からクラス全員にメールが届けられていた。
「森宮さんの意向によりクラス全員の授業の参加を許可します。では、また明日。」
とだけ記されていた。
メールを読んだ四条は驚いたような顔をして、
「助かったー。一時はどうなるかと思ったぜ。」
と安心した表情をしていた。
一方角川は浮かない表情をしていた。
「どうした、角?」
四条が角川に聞くと、
「今回は助けてもらったから良かったがこんなことがもう一回あるとは限らない。次は絶対にへまはしない。
あの森宮とかいう人に絶対追いついて超えてやる。」
どうやら負けたのが悔しかったようだ。
四条も角川の言ったことに納得して頷いていた。
話題は森宮のことになる。
「でもまさかあの森宮家がうちにいるとはな。」
「ああ。俺も驚いたよ。あの四代王家の一つだからな。森宮家、綺羅家、万家、具象家の一角だぞ。」
「とんでもないやつのくらすになっちゃったなー。」
「あの気迫はすごいものだったからな。」
そう。森宮唯乃は王になるために生まれたような存在。
そんな彼女に追いつくのは容易ではないがあれくらいにならなければ立派な王にはなれないということである。
四条たちはもう一度気を引き締めた。
翌朝・・・
寮から教室への道中、後ろから聞いたことのある声が聞こえた。
「すごかったらしいじゃないか。二人とも。」
ゲームでいち早く追放となった後追だった。
息を切らしながら四条のもとに来た。
「いやー、二人は最後まで戦っていたのに俺は寮を出る準備をしてたんだ。メールが来なかったらとっくにここにはいなかったよ。」
「そうか。まあとりあえず今日からまた頑張ろうな後追。」
「うん!」
四条と話せてちょっと嬉しそうだった。
角川もそんな後追を見て笑顔を浮かべていた。
教室に入ると普通の机に椅子がきれいに並べられていた。
今日は普通だと三人は安心した。
教室の窓側の方に一人の少年がいた。
「あれは、神折じゃないか?」
角川が気づいて声をかけに行った。
「昨日は素晴らしい戦術だったよ。これからよろしく。」
気やすく挨拶をした。
すると神折は、
「お前には絶対負けん。そこのお前もな。」
四条にも指をさしていた。
四条と角川とはドローだった神折。
これからは負けないという気持ちが溢れていた。
このクラスなら成長できるなと四条は確信した。




