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Big Crown  作者: こうのざん頂
第三章体育祭(クラス対抗編)
33/33

誰のせいだ!

何なんだろうと越谷は声の聞こえた方向に顔を向けた。

鈍間の声を聞いたのが珍しかったというのも多少なりともあったのだろう。

鈍間は振り向いた越谷に再度引き留めるような声を掛けた。


「もうちょっとだけ、何か掴めるかもしれないから、です。」


この状況で引き留める勇気があるのにも関わらず、その引き留める声はか細い声だった。

しかし、その声からは何とかしたいという思いが詰まっているようにも見えた。

鈍間の性格が顕著に出たと言っていいだろう。

一見引っ込み思案な彼女だが、その裏にはしっかりとした芯の通った気持ちの強い少女なのである。

そんな鈍間の声を聞いた越谷の心は少し動いていた。


(こいつ、こんな喋るやつだったのか。まあ、こいつがそこまで言うんなら何かあるのかもしれないのか?でも他の二人は点でダメだからな。考える必要もないか。)


越谷も考えるのは考えたが、もう一度会議をしたいとまでは思わなかった。


「折角言ってもらって悪いけど、ここで話し合ってもこれ以上の利益は見込めないから。じゃあ。」


そう言って越谷は再度図書室を後にしようとした。


「それはないわー。」


「俺もそう思う。」


現時点ポンコツ認定されかけている二人が呆れた顔で越谷に言ってきた。

この二人は鈍間の勇気を買った行いを取った。


「お前らだけには言われたくねーよ!」


ポンコツ二人に言われたらたまったものではない。

越谷は耳が痛くなるほどの大声で叫んだ。

しかしポンコツ二人(特に鷲宮)には響いていなかった。

鷲宮は越谷の叫びにため息をつきながら(やれやれ・・)と言わんばかりの表情をしていた。

越谷は当然ムカついた。

普通にキレる寸前まで来ていた。

というかもう既に半ギレしていた。


(じゃあお前がちゃんとした意見を言えボケ。)


と心の中で叫んだ後に怒りを静めて、


「分かった。もう少しだけ残ってやる。だが、俺からは何も意見しないからな。お前らが利益の出る情報を出すんだ。分かったな?」


と半ば投げやり状態ながらもこの場に残ることに決めた。

鈍間が嬉しそうな顔をした。


「よく残ったな。」


神折が誇ったような顔で越谷に言った。


(誰のせいでこんなことになったんだ。)


と言ってやりたい気持ちを抑えて、


「ここまで言われたらな。」


と必殺の営業スマイルを振りかざしながら席に座った。

この後それなりに対策会議は会議らしく話し合いがされた。

そして次の日、神折が角川と会ったときにこんなことを聞かれた。


「話し合いはうまくいったのか?」


神折は真剣な顔で言った。


「忘れた。」


今回の会議を通して四人は少しだけ距離が縮まったのが唯一の良かった点だった。



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