譲れない戦い?
友達同士での会話を徐々に終えて自分の席に着くものが増えてきた。
「それじゃあそろそろ競技を決めるからちゃんと座っとけよ。」
後追がそう言いながら教卓の前に足を運んだ。
他の三人は心の中で調子に乗るなと言った。
どうも後追が偉そうにしていると周りの人の鼻につくようだ。
「じゃあまあとりあえず座るか。」
四条が後追の指示に従うのが癪に障るもののここはしっかりと後追の言う通りに動いた。
他の二人も自分の席に着いた。
全員が席に着いたところで個人競技が決められ始めた。
続々と決まっていき王様レースのエントリーになった。
この学校の花形競技に近い競技のためエントリー希望は多いのが例年である。
「それでは王様レースのエントリーです。出場希望の人は挙手してください。」
後追の募集に対して挙手をしたものが七名いた。
募集定員が四人のため三人は外れる形になる。
今年も例年通り希望者が多い王様レースだが、四条をはじめとして、越谷、牧、鷲宮、鈍間、栗栖、そして神折の七人が出場を希望していた。
この場合どうなるのかが気になるところだが、ここは平等にじゃんけんで決めることになっている。
「では希望者は前に来てください。」
希望者の七人は教卓の前に集まりだした。
「七人は教卓の前に来て円状に広がって戦闘態勢に入った。
右手に握りこぶし、鬼のように周りを威嚇するような顔、滲み出る負けん気。
全てが込められた右手が今、円の中央に並んだ。
さあ、この試合の勝者は一体誰だ!?」
「何してんねん、春美。」
森宮が若干引いた顔をしながら隣にいた春美の実況を遮った。
「何って、この方が盛り上がるじゃない。こういうのは雰囲気が一番大事なんだから。」
「あぁ、まあなんでもええわ。」
これ以上関わったらめんどくさくなると思ったのか適当に春美の実況を放置した。
そんなこんなでじゃんけんも始まろうとしていた。
既に拳は出されている状態。
コールされれば戦いは始まると言ったところである。
「さあ、いよいよ戦いの火ぶたが切られそうだ。
では行きましょう。
最初はグー、じゃんけんぽん!」
お前がコールするのかよと心の中でツッコミを入れた森宮だったが、そんなことより七人から放たれた右手は、グーが六人でチョキが一人。
「え、こんなことある?」
四条が一人負けをするという展開で幕を開けた。




