選ぶのが難しいよ
個人競技の選択を迫られる四条たち。
迫られるとはいっても時間はあるにはあるので特段焦る必要はないのである。
皆がそれぞれ席を離れ友達と相談しながらどの協議に出るかを話し合っていた。
四条も角川、後追、一ノ谷らと共に相談をしながらどの競技に出るかを決めている段階だった。
「今年はやっぱり目玉競技の王様レースに出ようと思ってる。この学校に来た以上はこの競技に出ないとって思うんだよな。王の素質というか今の俺の人を動かす力がどれほどあるかを試したいんだ。」
どうやら四条は王様レース出場希望のようだ。
この学校での個人競技の目玉である王様レースに出たいという生徒は当然のことながら毎年のように多数存在している。
そのため募集の枠に対してその枠を超える応募になることはざらに起きることである。
四条は昨年もこの王様レースを希望していたがじゃんけんに負けてしまい第二希望の競技に回されてしまったという経緯がある。
今年こそは出たいという気持ちが強いのも頷ける話だ。
「去年はじゃんけんに負けたからな。あれはまあ、うん、良い負けっぷりだったな。今年は出れるといいな。」
角川が軽くフラグを立てたような気がしたのにほかの二人は気づいたが四条はそんなこと微塵も感じていない様子だった。
「俺はパン作り競争に出ようかな。」
後追はパン作り競争に興味を示していた。
「後追がパン作りって、想像しただけで・・ププッ」
四条が後追のことを少し馬鹿にした。
勿論四条に馬鹿にされることは人生の一生の恥レベルの屈辱のため後追は取り敢えず反論しなければと思った。
後追が反論しようとしたところにしっかりフォローをしてくるのが角川。
四条の弱みはすべて知っている角川。
調子に乗った四条を静めるのは毎度のごとく角川。
「おい雪斗。お前の去年のパン作り競争の写真があるんだがな。ちょっとみんなで見てみようか。」
四条は嫌な予感がしたので、後追への発言を撤回しだした。
「あぁ、うんパンを作るのも意外と難しいからな。後追も気楽にいけよ。ハハハ。」
苦しい言い訳というかなんというべきかともかく四条が自分を棚に上げていたことがばれてしまったため、非常に恥ずかしくなっていた。
この辺は通称四条の取扱説明書と言われる角川の腕の見せ所だったようだ。
「まあそんな話は置いといて、いっちーは何に出たいんだ?」
一ノ谷は軽く腕を組んで首を斜めに傾けた。
「うーん。正直どの競技も独特だから選ぶの難しいんだよな。まあしいて言うなら乗り物に乗る確率の高い王様レースはなしだな。」
「乗り物酔い激しいもんないっちーは。」
以前、校外学習の時に乗り物酔いが発覚しそれ以来乗り物の名前を聞くだけで気分が悪くなりだすというかなりの重傷を患っている最中である。
そのため自分の足を使えない王様レースは一ノ谷にとって天敵ともいえる競技だった。
「今年も無難にピンポン玉転がしでも行くよ。」
そうこうしているうちに個人競技の希望も決まりだしてきた四条たちである。
ちなみに角川は距離測量に出ることを強く希望している。




