競技
五月上旬、国立王都高等学校二年一組では体育祭の競技についての説明及び個人競技の種目選択を迎えていた。
教卓にはこのクラスの体育祭実行委員の後追が立って説明にあたっていた。
「皆さん。昨年経験したので大体は把握していると思いますが、確認程度に説明をしますのでしっかり聞いて下さい。」
後追の割には珍しくしっかりしていたためクラスメイト達は少し驚いた。
「なんか後追気合入ってるんかなぁ。いつもよりハキハキと喋ってるぞ。」
四条が小声で後ろの席にいる角川に呟いた。
「確かにそんな感じはするな。まあ折角の行事ごとで委員になったんだからそれに力を入れることはいいことじゃないか。」
角川も様子がいつもと違うことは分かっていたがむしろいいことなので感心していた。
そんなことを会話している間にも後追の説明は続いていた。
「今年の体育祭も例年通りの開催となります。大まかな流れも昨年とほぼ変わらないので、昨年の体育祭を想像していただいたら結構です。朝は各自でグラウンドに集合。その後開会式。午前の個人競技。午後のクラス競技に続いて閉会式の流れです。この後各自の個人競技のエントリーを行います。クラス競技については後日追って連絡します。」
この学校では午前に個人競技が、午後にクラス競技が行われる。
その個人競技とクラス競技の合計が高いクラスを競い合うクラス対抗式の体育祭になっている。
学年に関係なくカラーごとに分かれて競い合う体育祭が一般的に行われることが多いが、この学校ではクラスの協力関係をかなり重視しているためこのような形となっている。
この体育祭で活躍すれば後の配属県にいい影響が出ることが多いため生徒のやる気というのは自然と上昇傾向にあるのである。
「何か質問がある人はいますか?」
後追の問いかけに一人の生徒が反応した。
「クラス競技は何になってるんだ?」
質問したのはこれまであまり目立った行動がなかった生徒だった。
彼の名は宮内元気。
宮内と書いてくないと読む珍しい苗字だ。
ちなみに白浜県出身で元合気道の全国制覇経験を持っている。
そんな彼が発言するほどなので、周りが気合が入っていることが分かった。
宮内の質問に対して後追の答えは直ぐだった。
「今年のクラス競技はなんでもバスケットだ。」
「・・・は?」
全員が一斉に意味が分からなくなった。




