国立王都高等学校二年一組
「もう二年だけど、そろそろ結果を出さないとまずいなー」
「卒業できなければ王になんてなれないぞ。」
「二年こそはしっかり単位とってやる。」
「せいぜいがんばれよ。」
たわいもない会話が教室に響いていた。
どうやら少年二人の会話のようだ。
片方は身長が低く髪は短髪、見た目的には中学生でもおかしくないような顔立ち。
もう片方は身長は平均男性程で、眼鏡がトレードマークで一見知的な印象を受ける。
教室には、約二〇人強の生徒がいて扉のそばには二年一組と表記されている。
窓からは、春の日差しが教室中を照り付けていた。
「ていうかまた同じクラスだったな角。」
少年がニコニコしながら言うと
「俺がいないと何にもできないからな雪斗は・・・」
こちらも笑いながら返した
雪斗と呼ばれていたこの少年の名は四条雪斗。
元縄跳びのアジアチャンピオンである。
出身は旧鹿児島県である。
角と呼ばれていた方の少年の名は角川凌汰。
元そろばんの全国チャンピオンである。
出身は四条と同じ旧鹿児島県である。
「一年の時はまさかあんなに単位を落とすとは思わなかったなー」
四条が名残惜しそうに言うと
「あれだけやらかしてたら当然だろ。王選の時数学十点だったからな。」
王選とは毎年学年末に行われるテストのことで、一般的な定期テストのように何度もなくこの一回のテストと内申点のみで成績が出される。
この学校の科目は一般的な国語、数学、英語に加えて国政論、倫理論、道徳論、リーダーシップ論、頂点論の五つが加えられた八教科の科目の授業、王選が行われている。
特に後の五科目の五科目のうち一つでも単位が取れないと退学になってしまうため卒業するのが難しいのである。
四条は数学が赤点のため仮進級という形で進級している。
既に、学年二〇〇人中四〇名が退学という形になっている。
そのため気の抜けない学校生活となっている。
時刻は八時三十分になるところ。
そろそろ新しい担任が来る時間だと四条は思った。
「角、どんな先生だと思う?」
「まー変な奴じゃなければ誰でもいいや。」
「角は無欲だなー。」
そんな話をしていると
・・・ガラガラガラ
一人の男性が扉から入ってきた。
細身で白衣を着ている。
四条たち生徒は急いで席に座った。
男性は教卓に出席簿を置いて自己紹介をし始めた。
「私の名は流川興治。今日から君たちの担任になった。いい人材が揃っていると聞いています。期待していますのでどうぞよろしく。」
とても礼儀正しくて好印象だなと四条は思った。
「さっそく明日からは授業があります。遅れることがないように。」
そう言って教室を颯爽と去っていった。
どうやら今日はこれで終わりらしい。
四条と角川は学校の敷地内にある寮へと向かった。
二人部屋にしては広い部屋に四条と角川は入った。
この部屋が二人が使っている部屋である。
四条がベッドに横たわり角川は勉強机の椅子に座り込んだ。
「あの先生どうだと思う?」
角川が聞くと
「俺は好印象だったけどどうかした?」
四条が何かあるのかと疑問に思っていると
「俺見たことあるような気がするんだ。」
「あの人有名人なのか?」
四条がきょとんとしていると
「いや、そういうわけじゃないんだけどまあ気にすんな。」
どうでもいいと思ったのか角川は話を切った。
「明日から楽しみだな!」
「そうだな。」
そんな会話をしながら四条は眠りについた。
角川は窓を眺めながら先生のことを気がかりに思っていた。
次の日・・・
教室に行くと座席がなかった。




