存在するのか
「着いたー。」
四条たちを乗せたバスは東大寺に到着した。
生徒はバスを降りて芝生が広がった広場に誘導された。
皆これからの戦いのやる気に満ちていた。
「ちょっと待ってー・・」
一ノ谷がかなりグロッキーな状態でバスから出てきた。
どうやらバスに乗って酔ってしまったらしい。
「バスの中でゲロはやばいよなー。」
「体調管理くらいしてくれ。」
四条や角川にボロクソに言われて肉体的にも精神的にもショックを受けてしまった。
酔っている一ノ谷をよそにほかの生徒たちは続々と広場に集まっていた。
全員が集まったところで点呼がとられた。
全員がいることが確認されたためいよいよ始まる。
生徒たちは各班自分たちの行先に散っていった。
そして四条の班も目的地に向けて出発していた。
「バスの中で話した通りでよろしく。」
「了解」
四条の一言で班員全員が分かり切ったかのように返事をした。
・・・バスの中
「さっき先生が落としたパンフレットがあったんだ。そこにあまり知られていない古墳が載っていたんだ。おそらく東大寺からは遠いからどの班も来ないと思う。ポイントが高そうだから行ってみないか?」
「そんなところ本当にあるのか雪斗?」
「ああ。先生が持ってたんだ。間違いない。行き方も覚えてきた。」
角川はそれならと思って頷いた。
「けど兄さんの資料にはそんなところ載っていないぞ。」
一ノ谷が資料を皆に見せながら言った。
「当たり前だろ。一般的な認知度は低いんだから。だからこそポイントが高そうだから行こうって言ってるんだろ。」
四条はやや呆れた顔で答えた。
「そこに行けば絶対勝てんねんな?」
「勿論だ!」
森宮の問いに対し自信満々に答えた。
その様子を見て森宮も納得したようすだった。
・・現在
四条たちは目的地に向かうため学校が用意した車に乗った。
「谷脇古墳までおねがいします。」
角川が運転手に言うと、
「どこにあるんだいそこは。」
と場所を知らない様子だった。
仕方がないので取り敢えず宇陀まで行ってもらうことにした。
そして班員全員四条を睨んだ。
心の中で本当にあるのかと言っているようだった。
四条は軽く苦笑いをした。
車は快調に進み宇陀に着こうとしていた。
「ここからどうするんだ?」
角川が四条に聞くと、
「手あたり次第探せばいつか見つかるって。」
と無責任に言った。
班員全員お先真っ暗だなと思った。




