目的地
そうこうしているうちに班員全員が集まった。
皆戦いに勝つ意欲は十分だった。
生徒が集まってきたころ点呼がとられた。
「二年一組全員いますか?」
学級委員の森宮が人数を数えて全員がいることを確認した。
「全員います。」
流川先生は軽く頷いて学年主任の帯先生に報告をしに行った。
生徒たちは班ごとに整列していた。
「この学年は五クラス四班の合計二十班の戦いだ。一位にでもなれば何かしらの報酬はあると思う。」
角川は報酬が気になっていた。
「とにかくいっぱい古墳を回ればいいんだよな。」
「そうでもない。ダミーもあるらしいから注意がいる。」
四条は納得したようでしていない様子だった。
「これ使えると思うぞ。」
一ノ谷が昨年のポイントの配点が書かれている資料をカバンから取り出した。
班員はちょっと驚いた。
「どこで手に入れたの?」
諏訪がといかけると、
「兄さんにもらった。」
とここでさらっと兄がいることを言った。
皆初耳だったため少し驚いた。
「いっちーすごいな。兄貴もこの学校だったのか。」
四条は明るい眼差しで言った。
「俺が追う形だったんだけど・・・」
「そこうるさいぞ!静かにしなさい。説明が始まります。」
学年主任に怒られてしまった。
ちょっとしゃべりすぎたなと四条たちは反省した。
しかし、いっちーの資料はかなり有利じゃないかと心の中でガッツポーズを四条はしていた。
説明が始まると四条は長話が苦手なせいかボーッとしていた。
説明の内容が全く分からないまま説明は終わった。
理解していない四条だが、角川や森宮がしっかり聞いているため問題ないだろう。
「それではこれから出発です。事故の無いようにしましょう。」
先生の挨拶が終わりいよいよ出発。
生徒たちはバスに乗り込んでいた。
流川先生がバスに乗ろうとしたときにポケットから何かを落とした。
後ろにいた四条が拾うとそれは宇陀県の谷脇古墳のパンフレットだった。
スタート地点からは一番遠いが高得点が見込める場所であった。
これを見た四条はぜひ行ってみたいと思った。
「先生、これ落としましたよ。」
軽く目を通してから先生に返した。
先生は笑顔で受け取った。
「四条君ありがとうございます。今日は頑張ってください。」
「はい。」
四条は気前よく返事をしてバスに乗り込んだ。
皆が座席に座りバスは東大寺に向けて出発した。




