神様を助けた!
学校からの帰り道の公園に、何故か金髪で半袖半ズボンの少年が、ジャングルジムに縛り付けられていた。
代わり映えのしない日常風景の中で、久しぶりに華麗な二度見を決めた僕だが、周囲に人気は無いし、グッタリした様子だったので急いで助けることにした。とりあえず声を掛けてみる。
「えーと、大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ!助けて!ヘルプミー!(* >ω<)」
どうも緊張感がない。幼い声が人気のない公園に響く。もう7時を過ぎていて、辺りは暗い。とりあえず助けようとするが…………どうやって助けたら良いか分からなくて固まってしまった。
「どうすればいいのこれ」
思わず1人言を呟く。
「これどうにかして!この黒い絡まってるやつ!」
小学生高学年ぐらいに見えたが、偉そうな声で命令してきて驚いた。金髪の小学生なんて見たことないし、気押されてしまう。
「わかった、これをほどけば良いの?」
その黒い縄は…………少年を縛り付けていた割には、僕の手で簡単にほどくことが出来た。
ただ、縄がほどけた瞬間、まるで力が吸われたような感覚があって、少しクラっとした。変な少年に変な縄、一体何がどうなってるんだろうか…………
「ほんっとうにありがとー‼実はぼく神様なんだ‼お礼に何かあげるよ」
神様?は大喜びだ。飛び跳ねたり駆け回ったりしている。
「神様?」
「うん‼(* >ω<)ほら‼」
いきなり、神様(?)の口から人間サイズのサメがにゅっと出てきて、地面で何回か跳ねたあと、真っ白な羽が生えて空へと飛び立った。
なにを言ってるかわからないと思うけど、俺もなにが起きたのかわからない…………空を見て呆然とする俺に、神様はドヤ顔で言った。
「分かったでしょ……?( ・∀・) 」
「は、はい」
「じゃあ、助けてくれたお礼としてAランクのスキルをあげるよ‼」
「はぁ……?」
すきる?
「Aランクスキル!超凄い最高のスキルをあげるよ!」
つい、反射的に断ってしまう。
「いやっ、全然いいです!偶然助けただけですし……」
「えー‼超強いスキルだよ?要らないの?」
「いやー大丈夫です。はい。」
…………勢いで断ってしまう…………えーランクスキル……Aランクスキル…………?そんなゲームみたいなもの貰えるのか?
「じゃあBランクなら?!これもいいスキルだよー‼」
「いやっ、ほんともうアレなんで」
僕も男子高校生だから興味はあるけど、小心者の性なのだろうか。くっ…………つい断ってしまう…………
「もう…………わかった‼スキル以外でお礼するよ!!異世界に転生させてあげる」
「‼」
咄嗟に返事が出来なかった。実は、僕は三度の飯と同じぐらい異世界転生が大好きだ。出来るもんならしてみたい。
そんな思いが顔に出ていたのか、神様?は返事をじっと待っている。こんなチャンス二度と無いだろう。腹は決まった。
「異世界転生、したいです」
神様はパァーっと顔を綻ばせた。
「よしきた‼じゃあ行っくよ~あとSランクスキルをあげちゃう(* >ω<)僕って気が利くなぁ〜!」
「えっちょ、待っ」
足元に魔法陣のようなものが浮かび上がる。まだ心の準備が……というかSランクスキルって言った⁉
「デンデンテデーン!」
神様がそう口ずさんだ瞬間、視界が真っ黒になって…………
それで、目を開けたらそこは異世界だった。目の前にいかにも神官!って感じのおじさんがいるから間違いない。