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青い鳥の吟遊歌  作者: 鳳
1/10

序章

新作。

全10話予定。

 グランドールの門番よ

 決して屈する事なかれ

 守りし宝は消せぬもの

 誰にも渡してならぬもの

 それは英雄王が手にした全て

 彼の人が隠した大事な秘宝



 ***




 この季節には珍しくない、綺麗な青い空の日だった。

 そんな爽やかな日に相応しくない、悪寒が走るような人々のざわめきの中、ヴィアは一人立ち尽くしていた。怯えたような周りの大人たちの声も耳に入ってこない。

 皆の視線の向かう先は同じだ。いや、かなりの者がそれに意識を向けても目は背けていた。

だが、ヴィアは大人たちが目を逸らすものを一心不乱に見つめていた。

身じろいだ誰かに肩がぶつかり、一歩前に踏み出す。ほんの少し距離が縮まって、見えるものが鮮明になった。

「ヴィア」

 先日、怪我をして倒れている所を拾った青年が、悲痛な声で彼女を呼んだ。

まだ子供の、小さな体を守るように抱き締めてくる。

「見てはいけません」

 青年のそれは、懇願に近い。

 けれどヴィアは、青年の腕の中でも決してそれから目を逸らさなかった。



 城壁に吊された、両親の亡骸から決して逃げなかった。




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