鳩のメール
15.4.30 少し手直し。
鳩がメールを送信する。
クー クルック クク
少しして返信が聞こえる。
クー クルック クク
それに返信。また返信……
なかなかやりとりは終わらない。
庭の片隅で、純白のカラーが咲いた。
花の先を小さな怪獣が齧ってしまった。
怪獣の吐き出す白いチョークで
子どもたちは遊びだす。
家も庭も空もみんなも真っ白。
洗い流したら、みんなずぶ濡れだ。
虹の子どもは大喜びだ。
猫の抜け毛を丸めたら、
大きな雪だるまみたいな人形になった。
ころころ転がってる。弾んでる。
なんだか少し暑そうだ。
やっぱりさっぱりしたいのだ。
春はもう大人になりかけている。
一歩前へ進んだから、
一段空を登って、
一枚薄着になったのだ。
つまり、太陽に近くなったのだ。
*
鳩の鳴き声が好きです。長閑でいいのです。鳴きあったりして、なんだかメールみたいです。
帰ったら、庭が散らかっていて、チョークの跡が所々白く残っていました。子どもたちが遊んでいた様子です。水道の蛇口につないだホースも出しっぱなしになっていて、みんなずぶ濡れで遊んでいたのです。
庭に咲いていたカラーの花の先が、ぎざぎざに欠けていました。なんだか小さい怪獣の歯型みたいでした。
季節は一歩進みました。そのことをそのまま詩にしました。
お読み頂いてありがとうございます。