帰還と技術向上と人材登用
備前の国 小西隆佐
目の前のお武家様については恐らく浦上家の御家騒動に巻き込まれてのことによる結果だが、このままにしておく訳にはいかない。
「我々と一緒に参りませんか。」
秀清殿も頷き、全登も致し方なく頷かざるを得なかった。
秀清「備中に向かうが」
全登としては備前にとどまりたい思いがあったが、自身は切り抜ける自身はあるが、父親は無理だ。
対立する他の浦上家の家臣に血祭りに上げられる姿が眼に浮かび、すでに追っ手もかかっていることから全登は浦上家から去る決意を固めざるを得なかった。
一カ月後、備中の国 鶴首城についた
備中の国 鶴首城
親成と俺はすぐに技師や鉄砲鍛冶達を吹屋、小泉に向かわせると多くの技師達は銅や鉄、ベンガラに眼を輝かせていた。
次に俺と親成は隆佐と面会した。
早速試しに作った、ベンガラを使った茶碗や銅を使った釜などを見て貰うや、隆佐は一目見ると全て買い取り、さらには城下に店を設ける約束を取り付けた。
最後に明石行雄、全登親子と面会した。
親成は行雄を見て流石に驚いていた。俺は戦場で会ったこともあったのだろうと推測している。
俺としては秀清を褒めてやりたい気分だった。そうすると怪しまれるので我慢したが。どうやら宇喜多に行く前にタイミングよく獲得出来たようだ。上手く育成して三村の軍師になって貰おう。
親成は全登にこれからのことを尋ね、出来れば年が近い俺の側近として取り立てたいようだが全登本人の意思に任せることにした。