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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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上杉の臣従と甲斐へ

近江の国 安土城 浅井 長政



初が秀親殿の元に嫁いだ。

秀親殿と仲が良かったとは聞いていたから、

いずれ、そうなるだろうと思っていたから、言うことはない。

問題は茶々だ。

事を荒立てることにはならなかったのは救いだが、素行があまり良くない。

今回、出しゃばらければ、騒動にならなかった。

もし、あのまま嫁いだら、どうなったか、姪の竜子との間で問題を起こしただろう。

とりあえず、義兄上に茶々は預けておこう。

信政も関東遠征に向かうことになった。

準備を急がせておこう。



同上 市



茶々を兄上に預けた。

相応しい相手がいるかと言えば、正直、難しい。

秀親殿なら安心出来たが、秀親殿は初と祝言を挙げてしまった。

茶々と性格が合わないと言っていた。

個性が強過ぎるとも。

家臣達や他の大名から探すしかない、正直、難しい。

茶々の縁組に悩むことになる。

それと久しぶりに竜子に会って話した。

継室として上手くやっているし、娘を二人、得たようだ。

一人は毛利が先約を得ているらしい。

高次が気落ちするかもしれないが、元親殿の次女を娶ったようだ。

夫が言うには、関東遠征を行うと言う。

『元親殿、関東遠征の先陣だが、義兄上と話をし、三路から関東を攻めるのは良いが、北陸道から関東は夏は良いが、冬は危険だ。

碓氷峠から侵入する考えのようだ。

儂が北陸道の司令官であると言うから、信政と相談せねばならない』と。

私は夫に『冬は避けられませ』と言うと、夫は頷いていた。



備中の国 備中松山城 三村 元親



やれやれ、祝言と言う騒動が終わった。

さすがに疲れたわ。

帰ってきたら、関東遠征の準備をせねばならないか。

秀親と初は途中で別れ、因幡に帰って行った。

『関東遠征の準備をするように』と告げ、途中で別れた。

松の丸に『久しぶりの近江だったが、行きたい所があれば寄るが』

松の丸は『大丈夫です。早く戻りましょう。

』と。

備中松山に戻った。

正信らに『関東遠征の先陣を受けた。』

左近『上杉が降伏したのも影響しています』

正信『先に武田を潰したらとなりましょう』

儂は『三路から関東を目指すことになるだろうな。

北条を潰す前に調略をかけたい。』

丹波『誰をでございますか?』

儂は『北条の忍び軍団、風魔だ。

あれを味方につけれたら、大きい。

それと、北条の幻庵と地黄八幡も歳だ。

長くはあるまい。

あれらが亡くなったら、仕掛ける』

正信『今、戦いを北条に挑むのは苦しい。

なら武田となりましょう。

武田を滅ぼせば、北条が降る可能性も』

儂は『そうなれば、天下は収まるだろう』

左近『準備を少しずつ速めておきましょう。

正信『それにしても、秀親様の相手があの方になってたら、関東遠征どころではありませんな。』

儂は苦笑して、『今頃、儂は胃に穴が開いていただろうよ。

家庭内不和でな』

全員が笑わざるを得なかった。

『ところで毛利から、何か言ってきたか?』

正信『吉川様、小早川様から祝儀を頂きました。それと関東遠征、頑張ってくれと、儂らは留守番兼隠居をするゆえ、と』

儂は『あの二人が隠居、許さん。断じて反対だ、元就様は死ぬまで現役だった。

元就様が墓から出てきて、元春様や隆景様に説教をすることになるだろう』

左近『元清様、元長様、殿、秀包様、などがいれば、

毛利は大丈夫だろうと』

儂は『何がだ。織田の無茶による毛利の防壁になっているのは儂だ。

あれの無茶を代わりに抑える役目を与えておけば良い。

儂が隠居したいくらいだ。』

左近『殿が隠居されたら、織田様が何を寝惚けたことを吐かしておるか。

日の本のために、キリキリ働け、と、蹴り飛ばされるがおちですぞ』

俺はため息をついていた。

武士や民百姓の学校を作ったり、新しい産業を起こしたり、松の丸や福を相手にする安息の日は遠いようだ。



近江の国 安土城 直江 兼続



景勝様と共に、上洛し、織田様に謁見した。

もう少し、遅かったら、潰されていただろう。

織田様は『遠路、ご苦労。越後、佐渡の安堵は了解した。

いずれ、北条を攻める。

準備を怠りなく努めよ』と。

景勝様は敬礼した。

さらに『浅井にも礼を欠かさぬようにな。』とも?

何処か、機嫌が良いのが、不気味だったが。

何はともあれ、上杉が織田の標的にならなくなったのは良かった。



同上 浅井 信政



景勝殿らの謁見に立ち会った。

不識庵が健在時は、北条と組み、上野を脅かし、不識庵を背後からちょっかいをかけた。

不識庵亡き後、養子二人、一人は景勝、もう一人は景虎。

景虎が北条一族ゆえ、北条の力が越後まで及べば、厄介なことになる。

そのため、私は父を口説いて、上杉の内乱に介入、景勝を支援することにした。

結果は景勝が勝ちとなった。

その時、織田への仲介をするため、条件を伝えておいた。

時間がかかったが、結果は良かった。

叔父が私にあることを言おうとしたが、私は家風が合いませぬ、無理とだけ答えておいた。

叔父は『初は元気にやっておるか?』

私は『因幡で元気にやっております、しっかり秀親を支えていると。』

叔父は頷き、『そろそろ関東より先に武田を屈服させるとするか。』


武田を屈服させる軍を催す、決定を西国の大名に命じ、安土に集まるようにと、命が下った。



同上 第六天魔王



二カ月後、西国の大名達が一斉に上洛、安土に集まった。

狸や権六、浅井、上杉、真田が集まってきた。

総司令官は儂。

三路から武田を攻める。

諏訪上原城を南北から襲い、甲斐へ。

もう一つは駿河から甲斐へ。

中山道の軍の司令官は信孝。

北陸道経由は浅井長政。

東海道からは信澄。

元親は中山道経由からの先陣だ。

権六と共にな。

勝頼、意地を張るな、苦しむのは、甲斐の民百姓だ、儂の養女の夫ゆえ、それなりに情あったが、これも戦国の世の習いだ。



甲斐へ侵攻する準備が整い、ゆっくり侵攻して行った。








































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