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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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初の祝言と

近江の国 安土城 初



母と兄が安土に向かった。

私は秀親殿であれば嫁ぎたいと思っていた。

美濃に人質に来ていた時、母と姉や妹と会ったことがあり、話をした。

流石に、父、元親殿の薫陶を受けていたのか、いろいろなことを教えてくれた。

兄に似ていた。

暇があれば、私一人、会いに行くこともあり、親しくなった。

しかし、彼は『あまり来てはいけない。

立場が違うから』とよく言っていたのを覚えている。

恐らく、周りを気にしていたのだろう、また、私の立場を悪くしないようにも。

人質ではなく、叔父に仕えるようになり、九州での遠征にも従軍、因幡を叔父から貰い、

一国の国守になった。

そんな中で、今回の騒動、姉に疑惑を持った、姉も秀親殿を、と思ったが、違う、姉、茶々は秀親殿や元親殿をあまり良い目で見てなかった。

兄や私、江は逆、兄に至っては楽しそうに、私に話をしてくれた。

兄は『備中で作られ、売られた利益は、民百姓に還元されるか、軍事力の増強に回る。

それと、三村に仕えている人材を見たら、近江にいた者もいるし、浅井の配下の阿閉の配下だった藤堂もいる。

島左近、本多正信などもか。

羨ましいことだな。』と。

それはさておき、姉と秀親殿の縁組を叔父が決めてしまい、私はショックで臥せってしまった。

兄が母に私と秀親殿とのことを話して、慌てて、安土に向かい、何とか破談に持ち込んでくれた。

すぐに、私に安土に来るように、叔父から言われた。

叔父から『茶々が出しゃばらなければ、初、

お前が。』

私は頷き、『秀親殿であれば』

叔父は『良かろう、今日にも三村が来るゆえ、ここで祝言を挙げるがよい。

騒がせた罰は決めてあるから、初は心配しなくてよい』


罰は義父の東国遠征の先陣というものと姉の叔父が決めた相手との無条件の縁組だった。



同上 三村 元親



第六天魔王から今回の罰は関東遠征の先陣という素晴らしい罰をくれた。

軍資金の融通はしてくれたので助かった。

秀親の祝言を安土で行なってくれたのは良かった。

しかし、家庭内不和が失くなり、円満解決が図られたことは良かった。

ただ、あの三姉妹の中で唯一、子を産めなかった。

歴史が変わったから、どう影響するのか、難しいところだ。

深夜になって、浅井の長男と話をするのだが、何だろうか?



同上 浅井 信政



祝言が終わり、元親殿に深夜、会うことになった。

私は『備中守様、貴方は本当にこの世の人か?。

私には貴方が、ただ者ではない感じがする、

何者かな?』

儂は『さて』

警戒しているようだ。

私は『遠くから来た、貴方と同じく。』

流石に元親殿も狼狽したが、『平成からか?』

私も頷き、元親殿は『そうか、生き残るためにやってきた。

三村元親として転生した以上は。

歴史を変えることを厭わなかった。

お主もそうだろう、万福丸として転生した以上は』

私は『生き残るために、あのような悲惨な最後に向かわせたくなかった。

妹達の運命も変えたかった。

そのため、父を口説き、祖父を追放した挙句、越前に放逐した。

手段を選んでられなかった。』と。

元親殿は『そうか、お主が、浅井を滅びの道から救ったのか、朝倉を潰し、若狭、加賀、能登を得た、流石に変だと思ったわ』

私も『元親殿が毛利から正室を得た時点で変わったと、感じた。

人材収集。内政についても山田方谷の考えを利用していると。

最後に猿の側室を娶ったことも、特に、私の従姉妹を継室にしたこと』

元親殿は『あれは、幽斎の考えだ。

仕方ない』

私も『山名や狸の所から娶りましたから』

どうやら互いに猿の側室を何人か娶ったようだ。

元親殿が『お主はこれからどうする。』

私は『元親殿と同じく、浅井の者として生きていきます』と答え、『関東遠征の随行、よろしくお願いしたい』と、言い、部屋から離れて行った。



同上 松の丸



茶々を返しに安土に殿が向かわれ、すぐに私も安土に向かい、初と秀親殿の祝言に出席した。

秀親殿の相手は初になったようだ、良かった。

初は私が浅井にいた時から仲が良かった。

私が浅井を去り、備中に落ち着いた時も、身を案じてくれた。

手紙のやり取りをしていたから。

私が殿の継室になったことや子を設けたことも喜んでくれていた。

人柄も良かったから、私も救われたことも。

おや、信政殿が殿の部屋から出て行かれました。

入れ違いのように、私は殿の部屋に行きました。

『殿、如何なさいましたか?』

殿は私に『浅井の変化は万福丸殿、いや信政殿が出たことによるか』

私は頷き、『祖父を追放した悪名を得た代わりに、浅井は大きくなりました。

生き残れたのです、浅井はあの方が導きましょう』

殿は『関東遠征がすめば、隠居する。』

私は『無理でしょう。織田様がきっと』

殿はため息をついて、『いつ休めるか、分からない。ゆっくりしたいのに』と。



武田、北条を滅ぼすまで休む暇がなかったと言う。



同上 第六天魔王



一連の騒動が終わって、元親と話した。

武田と北条を潰したら、『大陸に出るのではなく、蝦夷、琉球を狙い、樺太や台湾を日の本のものにする。

水軍や海軍を整備し、エスパニア、ポルトガルなどに対抗できるようにする。』と。

あれには見えているのだろう。

『さらに、政治や内政を中央集権化する必要があるとも』

儂は頷き、『統一したら、考えていく必要があろう』



日本の近代化の過程の大枠が話されたと言う。







































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