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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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展望、願望

6年ほど経ちました。


親父殿は相変わらずの小規模な遠征を行って、尼子の息のかかった豪族との戦いを演じてます。もう少し領土の統治にも力を入れて欲しいが、留守の者が頑張っているようです。

俺は転生する前にある程度備中の国について調べていたから、この後の展開は予想がつく。まず親父殿の暗殺を如何に防ぐか、防げないかで歴史は変わるだろうか。


暗殺されないようにするには、短筒の名手である遠藤兄弟を召し抱えるようにすればいいがあの謀略家のことだから何段階も謀略の糸を張り巡らしているだろう。


暗殺された場合は、復仇戦は無理に挑まず、備中の国を固めて時期を待つ。


家臣に罵られようと我慢する、我慢を重ねて、関ヶ原まで生き抜く、そして黒田如水のように動くようにする。備中、備前、美作くらいは切り取りたい。当面は備中を如何に富ませるかを考えていくとしようか。


領内には平安時代から掘られていた小泉、吹屋銅山と井倉の石灰岩、吹屋にはさらにベンガラが取れる。


これらを生かしていく必要がある。

銅山だが、これは銅鉱石を取れたとして、上手く精錬しないと最悪の結果を招く。

精錬には二つの方法がある。炎焼方法と水を使った方法がある、両方とも良い方法ではない。

炎を使った場合は、硫黄分も含んでいるため二酸化硫黄が出て中毒に。

換気すればいいと考えてみたが二酸化硫黄は空気より重いため、なかなか上手く換気出来ないだろう。

水を使った精錬も砒素などを含んだ排水が出来るため、明治の足尾銅山鉱毒事件のようになり、国を富ますどころか、逆の結果に陥るだろう。

それと最後は掘っていくとして銅の精錬による結果、自然環境にも悪い影響を与えている。

諸刃の刃というわけだ。三年周期による銅を掘り、精錬、銅製品の開発を考えていくしかない。

技術が向上するように努力し、最終的には銅鉱石から金や銀を抽出出来るくらいになれば良い。


そして、井倉の石灰岩だが、粉にして水に溶かし、練り上げてセメントだったか、コンクリートだったか、造れるだろう。

城の城壁改修に使えるかもしれない。


吹屋にはさらに鉄とその副産物であるベンガラが取れる。吹屋の西江家はベンガラと銅を使って巨万の富を得た。上手く利用していけば、堺や博多に売り出せるようにする。

吹屋は冬、雪が多いため、小屋などは潰されることがあった筈だ。


石州瓦を使っていることもあって現代では住居が潰されることはない。石州瓦を作る職人もいる。石州瓦は石見の国で寺社が専門に作っていた、上手く言って作って貰えるようにする必要がある。


まずはともあれ職人や商人達を呼び込んだり、確保するために考えていかないといけない。

それと食糧の確保だが、米はともかく、麦、豆、蕎麦などの救荒作物を植えることも考えていかないといけない。井倉では現代でも作っている。

飢饉や疫病対策、天変地異に備える必要がある。

後は利益を上げていくことで、資金を確保し、軍備の近代化を目指す、言うなれば火縄銃を確保していくことや農家の次男三男を鍛えることになるだろう。

このやり方は幕末に備中松山藩の財政を好転させた山田方谷が考えたものだ。

特に、彼が考えた里正隊は、長州藩の奇兵隊の原型と言っていい。

久坂玄瑞が、方谷のやり方を見て危機感を持ったくらいだ。


ならば私も彼のやり方に学ぶとしようか。


次は人材の確保だが、遠藤兄弟の召し抱えは出来るかはわからないが、家臣であり、一族でもある石井久智、その娘婿は備中高松城を守った清水宗治がいる。後は一族も標準以上の者もいるから戦時は役立つ者は多い。


毛利と組んでいるから大丈夫かな。


内治の人材を外から見いだすしかない。


小西隆佐は商人だが、息子の行長くらいか。

浦上家の家臣で権力争いで追われ、宇喜多の軍師となった明石全登は欲しい。


史実において毛利が尼子残党を取り込めきれなかったことから、それと組んだ織田信長の侵攻を許したが、例え取り込めても信長は攻めてくるだろう。


尼子残党を召し抱える手もある。

特に山中鹿之介幸盛、立原久綱などは欲しいが。おいおい考えていく必要がある。


外交面は史実のように毛利から織田に着くようなことはせず、毛利に着き続けるで良い。

毛利の手伝いをしながら恩賞で技術者を確保するように動くことにするか。


考えていたら自分を捜す伯父の声が聞こえてきた。

とりあえず銅の計画から始めるかな。








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