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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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恩賞と新しい展開

三河の国 長篠設が原 三村元親



史実で言う長篠の合戦が終わったが、俺としては苦い思いしかなかった。

元総と秀清、丸目に兵の統率を任せておいたが。

武田の名将達が生き残ってしまったからだ。

織田の本陣では武田を破って喜んでいる者もいれば、苦い表情をしている者に別れていた。

第六天魔王は俺が来たのを見て労っていたが、表情を見たら、不機嫌な表情だった。

無理もない。

今後のことを話し合うことになった。

第六天魔王は労を労ってから、武田の兵力は奪ったが、名将達を取り逃がした。

兵力を立て直す前に南信濃に柴田を向かわせる。

狸には西駿河や奥三河、北遠江へ。

俺や猿、明智、犬、細川と言った武将達は美濃に帰還した。



美濃の国 岐阜城 三村元親



俺も一応、褒美を貰いました。

現金によるものでした。

土地を貰っても意味ありません。

元総も無事に連れ帰れたし、良かった。

二人の子供は明智が預かってたようです。

子供の顔を見て、休みを取った。

その後、第六天魔王と話をして、伊賀の国を攻めると言う話が出ました。

俺は攻める前に伊賀の忍び頭の百地丹波に降伏を促すか、俺に口説かせて欲しいと言ってみた。

少し渋い表情だったが、了解を貰った。

休養して伊賀を通り、備中に戻る旨も伝えた。

第六天魔王は頷き、火縄の礼の後、また頼むかもしれないからよろしく、と。



同上 第六天魔王



三村には礼を言わざるを得ない。

武田の兵力を奪っただけだが、武田の領土を得やすくなった。

南信濃を切り取れる。

しかし、越後の軍神が次出てこよう。

もし、あの将軍が出てきたら、容赦せぬ。

その前に儂が侵略する前に三村は伊賀に行くと言う、忍び頭の百地丹波を降伏、あるいは備中に連れて行くと言う。

やりおるわ、あれの配下はなかなか有能な者ばかり、小国とは言えな。

忍びを得たがっているのは備前を探るためよ。

あれの恩賞は銭にしたが、ふむ。

朝廷に官位奏請しておこうか、あまり役にはたたぬが、箔がつくからな。


これは元親にとり、困ったことになるのは別の話。


それより三村との話は面白い。


よもや儂とほぼ同じことを考えてたとはな。

朝廷や天皇家には政治から離れ、祭事をやってもらう。

武士が政治を司るようにする、朝廷に政治を司るのは先の失敗があるし、過去に回帰することを誰も望まない、と。

過去か、古の摂関政治や建武の親政と言う失敗と言うのは分かる。

足利将軍家が再び、あれは、御免被ると。

なぜか、あれに力がないため、このような戦国の世になった。

力がないから戦乱を治められない。

もう既に足利将軍家から人心は離れてる、力があるものが上に立ち、天下を治めればよい。

足利将軍家は六代将軍義教公が赤松に暗殺された時点で終わったとあれは見ておった。

立て直したがる者も多くいたが、応仁の乱で有名無実になり、今はただの残骸にすぎない、あれも過去に類するもの、と。

本願寺は宗教が政治に口を出し、しかも特権を得て、山賊盗賊紛いの行為を行う。宗教とは名ばかり、宗教の名を被り、人々を騙し、

武器や金をえている。

既に宗教から逸脱している、宗教とは人々を救済し、魂の安息を呼ぶ物だ。

のさばらしていたら、この国のため、将来のためにならない、正道に戻してやらないといけない、と。

キリシタンについても、宣教師達は魂の救済と言っているが、あれは擬態。

二つ目的がある、一つ目は我が日の本の民を異国に売り、人身売買をしている。

二つ目はキリシタンにし、南蛮人の植民地にするため、統治しやすいものにする。

商人達から火縄などの物品の購入は良いが、宣教師達が布教するのは少し制限した方が良いだろう、と。


流石に驚いたわ。


これを聞いていた諸将のうち、光秀と幽斎は顔色を青くしていた。

また、キリシタンに帰依していた者や考えに惹かれた者も同じ表情だった。

確かに三村の言っていることは一理ある、九州はその危険性に気づいてないというから考えなねばなるまい。



伊賀の国 三村元親



俺は美濃から丸目を連れて、伊賀に向かっている。

第六天魔王に変なことを言ったが、どうやら気にしてないようだった。

丸目は周囲を探りながら、気配を感じている。

元親は丸目に「来たかな。」

丸目は頷き、一人の人物が立っていた。



同上 百地丹波



三村元親か、噂に名高い備中の名将だ。

火縄の数はかなりの数あり、今回の長篠の織田の勝利は三村の火縄を借りたと言う。

三村から書状を得た時、忍び達を士分に取り立てるから三村に仕官しないかということと、このまま、信長に反抗し続けると、伊賀に兵を向けかねないということ。

確かに忍びについて、いい感情をもってない。正当に評価されず、足軽以下にされることもあった。

甲賀を始めとする忍びにも共通している。

信長に反抗して皆殺しよりは、マシだろう。

別天地を目指すか。備中や西美作と言うな。

三村は情報の重要性を理解している、生かしてくれる筈だ。



伊賀の忍達は、美作、備中に移り住むことになる。



美濃 岐阜城 第六天魔王



どうやら、伊賀の百地は別天地に移るとある。残るものは僅かのようだ。

まあ、良かろう。

元親は備中に戻るようだ、今は堺か。

ほぼ、中央で儂に反抗するものはいなくなった、軍神の存在くらいだ。

卒中で倒れてくれれば、良いが、都合よくいくまい。

浅井だけで抑えるのは難しい。

儂が出張る必要があるだろう。



和泉の国 堺 今井宗久



三村さんがお出でになった。

長篠での戦いをきいた。

武田は敗れたらしい、毛利、三村、長宗我部は織田様に付いた。

西日本は織田様が抑えている、九州くらいだが、治るだろう。

三村様は漆器職人がいないか、探して欲しいと言う。

備中には山に漆も多く、群生しているらしく、生かさないのは勿体ない、と。

隆佐も頷いている。

急いで探す必要がありそうだ。



同上 三村元親



とりあえず、漆器職人を得たのですが、忍び達は陸路から備中に向かってます、西美作や南伯耆、備中にいてもらうつもりです。

山にいたため、山の資源に詳しい。

西美作の産業発展にも役立つ。

それに正信の下に付けておけば、活躍は可能です。

それより、幽斎殿が堺にわざわざ来て、よりによって、京極の生き残りを連れて来て、姉弟らしく引き取って欲しいと言う、おまけに側室にしてもいいとも、妻が何て言うか。

京極の姫君って確か美人だったが、史実では猿の側室だった筈だが、何故、俺に来るのか、わからん。

猿が伊勢に領地を貰ったことも関係している。

しかも訳を聞いたら、訳あり、らしい。

考えてみたら、京極氏は近江源氏、尼子も六角も同族。

浅井にも近いから、浅井で預かる筈だが、何かあったのだろうか。

とりあえず弟も連れて行くことになった。

家臣に加えておこう。

しかし、困ったわ。


船で何事もなく、無事に備中に着いて、元親は備中松山城に戻った。

宇喜多の侵攻もなく、国力の充実を図れたようだ。

正信の下に伊賀の忍をつけ、防諜や情報を統括させました。

百地丹波には、情報の収集と管理を任せました。

漆職人を山に連れて行くと、質の良い漆が取れていると言うから西美作や備中で漆を使った漆器が出来上がりました。

堺で売れる可能性が高いため、売るようにしておきました。

産業発展は良いのですが、とりあえず京極の姫君の問題が、本当に困りました。

親成に尋ねてみた。

『側室にすれば』と言う、気楽に言ってくれる。

『預かってくれ』と言ったら、構わんが、バレないようにな、と。


本当に厄介なことだが、妻が亡くなる迄、奇跡的にバレなかったと言う。

















































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