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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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長篠と第六天魔王との出会い

備中の国 備中松山城 三村元親



第六天魔王から火縄を千梃貸して欲しいとの要請が正式にあった。

どうやら、武田を撃破するためのようだ。

長篠が始まると推察した。

俺は備中松山まで来た使者に了承したことを告げてから、俺は親成、全登、左近、宗治、正信、秀清、隆佐を集めて会議を開いている。

俺は千梃ではなく、二千挺を貸し出すことを考えていることと同時に人質を出すことも合わせて告げた。

全員驚いていたが、備中、西美作に置いておく火縄は出せないが伯耆にあるのは使える、

宇喜多の侵攻がないことによる実戦離れや尼子の援護も終わりかけてる点もある。

第六天魔王の人となりを見て、合理的な考えがあるため、本当に千梃だけで良いのかと思うことがある、と告げた。

人質に関してはいずれ言ってくるから早目に

出したい、正信に息子の千穂に付き人として勝法師丸の傍に居て欲しいことも。

正信は頷いた。

最後に俺も同行することをつげた。

流石に反対する者もいたが、正信が賛成してくれた。

正信「織田に付くのはいいが、ただ渡せばいいと言う訳ではない。正しく使う保証はないのだ」

左近「言わば監視かな。」

元親は頷き、「人質は隆景様や元春様が選んでいる、恐らく宮松丸と元総様だろう。」

全登「危険はないのでしょうか。二千挺が毛利に向くことは」

元親「それはないと見ていいか、隆佐」

隆佐は頷き「織田様は殿のことゎ高く評価されてましたので」

元親「評価されるのは嬉しいが、だからこそ、裏切ったら、首と胴が離れかねんから、私が行った方が良い、それで留守だが、伯耆は

全登に任せる、西美作と賀茂川は左近、備中高松は宗治に任せる。正信は留守中に謀略家が悪さを、する可能性が高い、傾向と対策を頼もう。日頃は三成、吉継、行長らを助けて内政の取り纏めをたのむ。備中松山は親成と親宣に頼む、俺の共には秀清と丸目、隆佐で良い、軍事的に厳しいことあれば、隆景様や元長殿、宍戸の義父殿に救援を頼むように」

親成はため息をつき、「分かった、仕方ないの、なるべく早く戻れ」

元親は頷き、「とりあえず半年と見ておいてくれ、長くて一年かもしれない」


元親の予想は当ることになる。



安芸の国 吉田郡山城 吉川元春



元親殿からの要請を受けて、織田への人質を出すことに反対する者がいる。

輝元様や元秋や元康なのだが、隆景や貞俊が説得している。

いずれ織田に出すのだから、二度手間を避ける、元親殿が責任を持って連れて行くと言うのに、元親殿は東の防壁であるが故に、情報を精査して送っている。

勝手に送る訳にはいかぬ、元清は既に宮松丸を出すようだ、既に備中松山に送っている。

これに輝元様は不快感を示している。

隆景も密かに元総を送るようにしている。

毛利が割れるのは避けたい、説得するには、宍戸の姉上に出馬して貰い、輝元様に説教して貰おうか。



同 小早川隆景



宍戸の姉上に輝元様に説教して貰った。

思った以上、時間がかかってしまった。

姉上にしばらく、郡山にいて締めて貰うしかないな。

元総の出発は事後になったことを了承して貰った。

元総は年長ゆえ、ひょっとしたら出陣したいと言うかもしれない。

その時は元親に面倒見て貰おうか。

時間がかかったから、船で堺まで向かい、美濃までだな。

それと毛利の旗も持たせておくように手配しよう。



備中の国 笠岡 三村元親



やっと許可が出たと隆景様から手紙と毛利の旗が来た。

俺は隆景様に備中に異変があったらよろしくお願いする手紙を送っておいてから、火縄を二千挺と扱う兵士と人質として美濃に向かう者や世話役を合わせ二千余、火縄と毛利の旗を積み、隆佐が手配した船に乗り、出発した。

朝早く出発したので夜には堺に着いた。

俺は堺の豪商、今井宗久に会った。

宗久は俺がわざわざ備中から来るとは思わなかったらしい。

俺は船の管理等を頼み、美濃に向かった。



美濃の国 岐阜城 第六天魔王



三河に向けて、出撃しようとする一週間前にまさか三村がわざわざ美濃まで来るとは思わなかった。

しかも火縄千梃の要請以上の火縄二千挺と操る兵に、毛利からの人質を伴うとは、いずれ要請しようと思っていた。

意表を突き、先手を取る儂が、逆に意表を突かれるとは思わなんだ。

やってくれたわ。

五千挺の火縄か、武田の騎馬隊を地獄に落としてやるわ、勝頼よ、せいぜい今の内に思い上がれよ。

凄味のある笑みを浮かべた。

光秀と幽斎を呼び、人質の屋敷の手配をするようにし、手厚く遇することを忘れなかった。



同 細川幽斎



元親殿が来るとは思わなんだ。

あれとは文通していたからな、付き合いがある、いずれ戦場で会うだろうと思っていたが、こんな風に会うとは。

噂通り、火縄を揃えている、光秀や羽柴《木下》、前田、蒲生などは備中攻めをするのを内心では避けたかったのではないか。

羽柴《木下》や前田は何度となく織田様に伺いを立てていたし、義昭様は、味方に付けたがっていた

、何度も無視されていたが。

織田の若い家臣団や羽柴《木下》や前田などには元親殿の富国強兵策に興味を持つ者が増えた。

織田様自身が元親殿を配下に欲しがっていた。

しかも意表を突かれた外交のため、主導権を取られている。

外交は良いとして、差し当たり武田を如何に対処するのかが問題だが



同 岐阜城 三村元親



第六天魔王より、武田の破り方を尋ねてきた。俺は新見で行った方法で破る。

五千挺の火縄と長槍を多く揃え、周り込まれないように馬防柵を作り、そこから五隊に分け、間断なく、と

第六天魔王も同じ意見のようだ。

俺に火縄の指揮を任せて貰った。

余りに火縄を使うため、耳栓をしておくようにと、最後に言った。



軍議が終わり、俺は元総様に会って、長篠へ連れて行って欲しい、と要請され、頭を抱えそうになるのを我慢した。

ちょうど第六天魔王が来て『連れて行ってやれ』と言う言葉を有難くも迷惑な言葉を貰った。

元総に『考えてるような戦いにはならない。

しかし、織田の戦い方を学べるから良いか』

元総は嬉しそうに頷いていた。

しばらく岐阜に滞在して、三河に向かった。



三河 長篠設が原 三村元親



やはりここで、激突することになった。

さすが武田の騎馬隊だ、迫力のある攻めだが、火縄が撃たれる度、倒される。

ここで、史実であれば武田は山県昌景、馬場信春などを失い、有力武将が消えるが、まだ高坂昌信、信玄が我が両眼と言わしめた存在もいる。

どうなるのやら、おや、どうやら武田の名将達は、前に出てないようだ。

一族衆に被害が出ている、あの名将達が生き残ったか、手強い連中が。

山県、馬場、原、保科に高坂、内藤、曾根、

表裏比興の者、俺はため息をつかざるを得なかった。

追撃は他の隊に任せて、考え込んだ。

元総はそれを不思議そうに見ていた。



同 小早川元総



織田の戦い方を見せて貰った。

毛利とは違い、兵農分離がかなり進み、精鋭化し、経済力があるため、時期に関係なく、出撃している。

元親殿はこれを知ってたから、あの時、織田と戦うことに反対したのか。

回数を恐れたのだ、備中が戦場になることを。

領民達のことを考えたからこその決断だったのだ。

卑怯と言う、一族衆がいたが、彼らの罵倒など関係なかった。

人質として恥じることなく、織田から学び、視野を広げて、毛利や天下のために働くようにということだ。

元親殿に感謝しよう。

それにしても、何に悩んでいたのだろうか。



後で聞いて、武田の名将達を倒せなかったとわかり、あのため息の意味を元総は知ることになった。

















































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