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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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大殿の死と裏切り物の始末

備中の国 備中松山城 三村元親


安芸から早馬が着いた、言うまでもない、大御所が倒れた。俺は密かに、妻子と共に安芸へ向かった。




なんとか間に合ったようだ、今、妻と子が見舞いに大殿の部屋に入っている。

隆景様が俺を別室に誘った。

隆景「まさか備中から来るとは、仕方のない奴だな」

元親「ここまで来て帰れと、追い出されるのは少し、妻も大殿いや祖父に二度と会えないともなれば」

隆景は頷いた。

その後、大殿に会ったが困った表情をして、「わざわざ来ることもないだろうに」とボヤキ、「曾孫が見れたのは実に良かった。思い残すことはないの」と嬉しそうだった。


その3日後、大殿は波乱の生涯を閉じた。


喪に服した後、元春様と隆景様、宍戸隆家様を始めとする毛利の一門衆や家老クラスが揃って話し合いをした。

俺も例外なく参加した。

元春「後継は輝元様、補佐は我々両川が行なう。北は元長と隆家殿が東は元清と元親殿が南は隆景、西は儂が担当し、毛利を守る」

隆景「領土は東は伯耆、西美作、備中以上広げることなく、防衛のみとする。西は龍造寺と組み、大友を抑える。門司城は死守するようにしておこう」

元親が手を上げた。元春、隆家、隆景、元長、元清、口羽通良、福原貞俊は頷いたが、それと以外は少し険しい表情をしたが、元親は無視して「最近、薩摩の島津の勢いが凄まじいですが、どのように対応される。それに宇喜多はともかく、上方の織田への対応は、それと隠岐の尼子の旧臣達の対応」

元春「薩摩、上方は様子を探ろう。近日中にちょっかいを出すのは宇喜多。元親殿の担当じゃな、隠岐もお主に任せる。」

俺としては押し付けられたように感じられたが「尼子義久殿の件は?」

隆景「現状維持じゃ、平穏になるまでな。四国もきな臭い状況じゃし、伊予はかなり乱れてる。土佐からの侵攻が激しい。一条氏かと思ったら長宗我部が勢いを増し始めておる。瀬戸内まで出られると厄介だ。」

外のことは決まり、内治のことについての話し合いとなって行った。

一門衆の話し合いは済み、輝元様が現状維持と領土の保全を表明し、終わった。

俺は妻と子達と共に輝元様に挨拶をして、他の一門衆に挨拶をしてから備中に戻って行った。


備中の国 備中松山城 三村元親


吉田郡山から帰ってしばらくして案の定、宇喜多直家がちょっかいを出してきました。

宇喜多軍五千の兵です、しかも史実通り、明善寺で激突することになりました。

史実通りにやれば、謀略家の考えに嵌るので

、少し小細工をしています。

宇喜多に内通し、戦いたがってる中島元行やその他の仲間達を前衛にし、にげられないようにし、次に馬防柵を作り、火縄を配して置きました。

これを軍議で予め、決めて置きました。

異議は受け付けません。

宇喜多はこれを見て、退却していきました。

俺は追撃せず、備中高松城に帰還しました。

帰還するやいなや、中島元行らは抗議しています。

俺はサクッと無視して軍議を行ないました。

援軍として元清様の軍に兄の軍も合流してきましたが、俺としてはあまり来て欲しくなかった。

指揮系統がバラバラになる可能性がある。

宇喜多は再び向かってくるフリをしたが、岡山に退いて行った。


備中高松城 中島元行


儂は何度もあの元親に煮え湯を呑まされた。

伯耆の折も屈辱を味わった。今回の戦いの折、三村を裏切るように動く予定だった。

元親は既にそれを見抜いての行動だった。

こうなったら・・・。

目に怪しい光をおびていた。


その頃


そろそろ元行らが仕掛けてくるか。

俺は密かに丸目に命じている。

ワザと一人でいる、元行らが仕掛けてくるのを待っていた。

案の定やってきた。

元行「再度、宇喜多への追撃を、あれ程の火縄がある。我々に」

元親「お前達にくれてやる訳にはいかぬ。儂らに銃口が向きかねん。それに儂が知らぬとでも思っているのか、宇喜多に通じていたということを」

丸目長恵が来ていた。

元行らの背後には兵が現れていた。

元行の顔色が変わった。

元親「それに知っていたからこそ、今まで飼っておいたのだ。」

元行「飼っておいた?」

元親は冷たく笑い、「わからないか。情報も直家に流していたな。果たして正しいか、嘘か。

十分に検討するからこそ、今回退却した。

あれは、十分に慎重な性格だ。お主らと違ってな。火縄の数の誤差にも気づいた筈だ。我々の火縄の実数は全て足すと二万はある。まあ、壊れたりすることもあるし、改良もしないといけない。まだ増やしているんだ。これは元行、お前にはこれ以上知る必要はなかったな。

結果として言わせて貰うなら、今までご苦労であった、随分とよく踊って楽しませてくれた。さすがに踊り疲れたであろう。これから先、踊り疲れることはない、安心して冥土に行くがよい。」

元行らに白刃が舞った。

その後この屍体を宇喜多の国境に放置するようにしておいた。


俺はすぐに評定を開き、今回のことを話した。親成、久智、宗治は知っていたが、他の一族衆は驚いていた。

俺は一族の楢崎隆兼と石井久武に命じて、中島元行の城を接収するように命じて、備中松山城に帰還した。











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