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生き残り兵乱記  作者: 遥か大地に
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転生いや憑依、逆行か?

うん、ここは何処だ。確か酒を飲んで家に帰った筈だ。

何かぶつかった痛みの記憶はある。

『しかし、何処だここは』


「あら、起きたのですか」


一人の女性が体を抱き上げ、あやし始めた。

しばらくして一人の男性が部屋に入ってきた。

「家親様」

男性の姿は武士のようだ。

「7日後には新見への出陣だ。留守を頼む」

女性は頷いた。

男性の方はしばらく俺を見て部屋から出て行った。


俺は先ほどの男性の名前に妙な引っかかりを覚えた。

『どうみても、この時代は戦国時代、俺は逆行したのは間違いない。女性というか、母親のようだが家親って言ってた。家親の名を持つ武将は何人か知っている。俺は歴史の本をよく読んでいたからな、最後に新見家、何処かで・・・。家親に新見家、まさか備中の国、先ほど出て行ったのは間違いない。三村家親ということだ。では俺は元親ってことか。ヤバい。ヤバすぎる。三村家親は備中の国人から戦国大名になり、早くから毛利に付いた、周辺はほとんど尼子方であるため、切り取りまくって領土を広げた。結果、備中と備前、美作の一部まで領した。戦国時代であり得ない暗殺方法で殺られ、そこから三村家は衰退した。しかも暗殺を命じたのは、中国三大謀将の一人、奸雄と言っていいだろう。宇喜多直家だ。元親は何度となく宇喜多直家と数で勝りながら敗れ続けた。毛利の助けがあっても敗れた。その後、宇喜多直家は毛利に付いた。元親としては怨み骨髄の宇喜多直家と一緒に毛利に従うことに耐えられず、家臣や一族の反対を押し切り、織田信長に内通。毛利はこれを聞いて、吉川元春は翻意するように自ら会って説得しようとしたが、山陰を任せられていたため、説得は出来ず、山陽を任されてた小早川隆景が司令官となり、三村家から去った一族や宇喜多直家らに攻め込まれ、滅びた、息子もいたらしくあまりに有能で将来性があったため、後顧の憂いにならないように毛利に殺された。言うなれば、山中鹿之介と同じ運命を辿ったわけだが』


母親は再び、俺を寝かしつけて離れた。


俺はしばらく考えてから、『この時代に転生した以上生き残りを考えていくのと、備中という国を豊かにし、三村家滅亡という歴史を改変していくしかない』


と決断し、目を閉じた。


夜の月明かりが部屋を照らしていた。







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