ある日の<俺> 9月21日。 手作りおはぎ
つやつやの餡子、もちもちの練り団子。
その、妙なるハーモニー。
うーん、美味い。旨いぞ。
遠野さん手作りのおはぎ。今まで食べた中でも最高ランクかも。
遠野さんは設計事務所に勤める会社員だ。ロングコートチワワの雪ちゃんの飼い主で、犬の散歩仲間である。
まだ雪ちゃんを預かったことはないけど、独身独り暮らしの遠野さんにもしものことがあった場合、俺が彼女の世話をするという契約をしている。
同じ独り身でも遠野さんはマメな人で、毎日自分で作った弁当を持って行っているらしい。「お祖母ちゃん子だったから、年寄りくさいおかずばっかりですけど」とか笑っていたが、一度分けてもらったレンコンのきんぴらは美味かった。
今日もらったこのおはぎも、お祖母さんのレシピらしい。質の良い国産小豆を使うのが何より重要で、次に重要なのは甘味。蜂蜜と黒砂糖と和三盆を使うらしいが、その配合は秘伝だという。
缶入り茶なんかと食するのはもったいないなぁ、と思いつつ、昼飯を食ってなかった俺は我ながらあっという間に三つ平らげてしまった。あと三つあるけど・・・晩飯にしょうかな? どうしよう。
遠野さんは墓参りに行くと言っていた。お彼岸だものな。
俺も行かなきゃな、墓参り・・・
ところで、俺、いっつも悩むんだが。
おはぎとぼた餅、どこがどう違うんだろう?
管理人は、春はぼた餅、秋はおはぎ、だと思っていましたが、諸説あるそうです。
※サブタイル付け忘れたので、付けました。