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ある日の<俺> 9月11日。 怪しい黒猫

自転車に乗って、市原さんちに向かう途中、黒猫と正面衝突しそうになった。


いきなり角から出てくるんだもん、って、相手にしてみたら、俺が角から飛び出してきたように見えるだろうな。


普通の猫なら、立ち竦むか、飛び退って逃げるか、そのどちらかだが、そいつは違った。俺が急ブレーキを掛けるのを、悠々と眺めている。


「だ、大丈夫か?」


思わず黒猫に声を掛けてしまった俺。迷いペット探しが多い何でも屋として、ちょっと職業病かも。


そいつは、声も上げなかった。ただ、俺の顔をじっとその金色の目で見つめてくる。何故か道端で見詰め合う、一人と一匹。


と、突然、その黒猫の口がにぃぃ、と笑いの形になった。俺は無意識に、ひ、と息を吸い込む。


何か、怖かったんだ。相手は猫なのに、どうしてか身の危険を感じたんだ。


こんなことは初めてだ。が、とまどう俺を尻目に、黒猫はそこにあった一軒家の塀をひらりと超え、中に入っていった。


一体、何だったんだ・・・


その家の表札を確認すると、「良輝」とあった。これ、表札なんだから苗字だよな。名前みたいだけど。「よしてる」・・・うーん、世の中にはそういう苗字もあるのかもしれない。


ん?


「らてる?」


・・・それでも、変わった苗字だなぁ。


『敵は海賊』。ラテルとアプロとラジェンドラが好きです。

当然ですが、<俺>とは何の関係もありません。ごめんなさい!


※サブタイトルを付け忘れたので、付けました。

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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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