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ある日の<俺> 8月19日。 お久しぶりの<風見鶏>

今日は久しぶりに<風見鶏>からメール連絡があった。


<風見鶏>は、<ウォッチャー>と呼ばれる(らしい)ネットの海の監視者のひとりだ。あらゆる情報が彼の許に集まるが、それによって彼が何をしているのか俺は知らない。


『交通整理をしているんだよ、情報のね。』


いつか、彼はそう言っていたが、俺には半分も意味が分からなかった。


彼と俺との関係では、彼が<風見鶏>で、俺が<風>ということになるらしい。風の拾った情報を風見鶏が方向付けする、という意味合いだという。


今日彼が俺に求めてきた情報は、先日俺の保護した迷子猫の柄と名前と年齢だ。


「柄は白に黒のブチで、鼻の脇が黒いからハナクソをつけてるように見える。名前はマーブル。年齢は・・・一年と六ヶ月程度かな?」


そう書いてすぐにメール送信したら、ほどなくして「了解。情報提供感謝」と返信があった。


俺の情報(といっても、こんなんばっかりだが)は、<風見鶏>にとってはかなり有用なものらしいが・・・どこがどういうふうに役に立つのか、俺にはやっぱり分からない。


ま、いいか。これまでも、俺の生活にそれが影響してきたことなど一度もないし。


それよりも、今夜の夕飯、どうしよう。さすがに連日饅頭はキツい。

コンビニで弁当を買うか、買い置きのカップ麺を食べるか、昨日のパンの残りを食べるか。


そういえば、素麺があったな。行儀は悪いがぶっかけにしよう。茹でて具をのせて出汁をかけるだけだから、簡単でいい。もみ海苔もあるしな。


後でトマトでも齧っておけば栄養面でもなんとかなるだろう。


オトコの料理なんて、こんなもんよ。ふっ・・・


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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