表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/520

ある日の<俺> 8月16日。 今年のお盆・送り火

今年の夏は特に暑い。


なんてな。毎年そう思ってしまう。けど今年の夏は、去年より確実に過ごしやすい。日々それを実感している。


何しろ、去年までのエアコンは効きの悪い年代物だったけど、今年はぴんぴんの新品だ。俺の甲斐性じゃないけど、盆で帰ってきた父や母、双子の弟は安心してくれただろうか。


屋上で送り火を焚きながら、俺はぼんやりとそんなことを考えていた。


薄く立ち上る白い煙は、すぐにビル風に吹き散らされてしまう。このところ、朝、昼と猛烈に照って、夕方から雷を伴った大雨が降る日が続いている。今日もそろそろ天気が急変するのかもしれない。


今年の盆は、何事もなく過ぎた。去年は色々ありすぎて・・・とてもひと言では言い表せない。どうでもいいけど、刑事だった弟の、同僚だの後輩だの先輩だのから事あるごとに「是非逮捕術の模範演技を!」と頼まれるのが辛い。


だから、あの時の俺は俺じゃなかったんだってば。


そういえば、どこからどう事件のことを聞いたのか、あの後、このボロビルの家主でもある友人からメールが来たっけ。


たったひと言。


『お憑かれさま。』


おい、どういう意味だよ。ううう。

あんたなんか、あんたなんか! そう、<ひまわり荘の変人>のくせに!


「去年は色々ありすぎて・・・とてもひと言では言い表せない。」


この話の前の年に、「<俺>のお盆」という長編にするつもりはなかったのにを書きました。それをこちらに入れるとまたなんだかややこしいので、『一年で一番長い日』の方に投稿すると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ