ある日の<俺> 6月13日。 ジェイソンとナマハゲ
今日はもしかしなくても13日の金曜日。・・・ジェイソンの暴れる日だ。
俺もチェーンソー持って暴れるぜ、なぁんてな。ずっとほったらかしにされてる私有地の藪を伐採するのが今日の依頼。破片が飛んでくると危ないので、海中めがねにタオルマスクで防御している。
ギュイーン、ギャギャギャギャ。
うわー、何だ、この絡まり果てた蔓は。硬いなぁ。
「ママー! ジェイソンがいるよ、怖いよ~!」
背後で子供の泣き声が。おいおい、ジェイソンはホッケーのマスクみたいなの被ってるんじゃないのか? 間違っても○○酒店のタオルなんかじゃないぞ。
歯を止めて振り返ると、さらに大きくなる悲鳴。そばにお母さんらしき女性。目が合うと、すまなさそうに頭を下げてきた。てか、お母さん。小さな子供にホラー映画を見せちゃダメでしょうが。
思わず「悪い子はいねぇが~?」と言いたくなったが、我慢。トラウマになったらかわいそうだし、夜中に寝小便垂れるかもしれんし。
海中めがねとタオルを外し、にっこりと笑いかけてみた。ほらほら、ジェイソンじゃないよ、怖くないよ~っと。
・・・もっと泣きやがった。
くすん。ののか。パパ、そんなに怖い顔してないよね?
今月12月の13日も金曜日でしたね。