表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/520

ある日の<俺> 5月17日。 ご老人に犬を紹介

寝坊した。


昨日、久しぶりに干した布団があまりにもふかふかで気持ち良くて、気がついたら三十分も寝過ごしていた。


今朝は篠竹さんの朝の散歩に付き合う約束なのに。ぎりぎりで大正生まれの篠竹さんは、目も耳もまだまだ達者なお年よりだが、足元が少々危ない。危ないが、家に閉じこもっていたら気分が落ち込むし、ならば犬でも飼って散歩に精を出そうかと思ったら、引っ張られて転びでもしたらどうすると家族から大反対。


しょうがないので、「散歩する犬を見ながら散歩」することにしたそうだ。で、よくご近所の犬の散歩を頼まれている俺に、紹介して欲しいという。


誰にって? 犬に。


「あなたに顔繋ぎしてもらえば、犬たちもこの年寄りに対して友好的に振る舞ってくれるでしょう」


ほっほっほ。


旧家の生まれらしい篠竹さんは、上品に笑ったものだ。


って。だから俺、急ごうぜ。ざばっと顔を洗って、ざざっと歯を磨いて。あああ、朝飯食ってる暇が無い。でも朝食べないと叱られる(誰にって・・・ 内緒だ)。


コップに一杯、牛乳を一気飲み。それからバナナを口に詰め込んで。よし、ポケットにはカロリーメイト。


篠竹さん、今行きますから、先に歩き出したりしないでくださいよ! 


心で叫びつつ慌しく飛び出したら、ちょうど上を飛んでいたカラスに「アホー」と言われてしまった。


うるさいわい!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ