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ある日の<俺> 5月14日。 少年とラブレター
今日は依頼をひとつ断った。
少年よ、ラブレターくらい自分で渡しなさい。
ったく、お金を払ってまで他人に頼むようなことか? この携帯メール全盛時代に古風なことだと思うが・・・何? メールアドレスを知らない?
知るか。
ここで見ててやるから自分で渡せ。ほら、来たぞ、あの子じゃないのか? 行け、死に水は取ってやる。
・・・
・・・
ダメだったのか? しょうがないなぁ。熱いコーヒーでも奢ってやるよ、自動販売機の。何? コーヒーは苦くて飲めない?
じゃあ、なおさらコーヒーにしておけ。
苦い? 苦くてたまらない? そうか。そんなに苦いなら涙が出てもしょうがないな。
よしよし。これで拭いとけ。キティちゃんのハンカチだけど。笑うなよ。
大丈夫だ、少年。
苦さにも、そのうち慣れるさ。
はー、初々しいなぁ、中学生。