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ある日の<俺> 2016年8月31日。  人の扱う小さき如雨露

本日午前零時に投稿しようとしたら、何だか変で投稿出来ませんでした。

ホームは開けるのに、投稿小説管理ページを開こうとすると、接続タイムアウト……

今日は朝からぺったりとした青空。ようやく台風一過ってとこなんだろうか。


今回の台風は変な進路を辿る長生きさんでしたねぇ、なんてことを低い庭フェンス越しにお隣さんと話しながら、俺は頼まれた留守宅の庭に水遣りをしている。


最初、お隣さんは見慣れない人間が隣家の庭でごそごそしてるのを見て警戒してたみたいだけど、俺が庭水道の蛇口から如雨露に水を汲んで花に水を遣りがてら、この家の青柳さんから出張中の水遣りを頼まれたことを話すと、分かってくれた。


「青柳さんちの庭は、きれいにお手入れされてますもんね。先日の大雨でミニトマトの茎が折れたって嘆いてらっしゃいました」


「ああ、これでしょうね……上手く添え木をしてあるし、花も萎れてないからまだ実をつけるでしょう」


雨もこの間みたいに一度に降らず、朝夕ちょうど良い量が降ればいいのにね、なんて言ってお隣さんは笑う。


「天の如雨露は大雑把すぎますよねぇ」


「本当に」


世間話してる間も、何度か如雨露に水を汲み足したりして手と足は動かしてたので、水遣りはすぐ終わる。うーん、台風の雨で洗われた空気も土も植物も、全てがきらきらと輝くようだ。昨日だってもう雨は降らなかったけど、曇ってたから、晴天の今日のほうが輝きっぷりがすごい。


達成感を感じつつ、如雨露を元あった場所に片付けて、洗濯物を干してるお隣さんに挨拶する。


「それじゃあ、これで。夕方また水遣りに来ますので、よろしくお願いします」


「そうですか」


きっちり門扉フェンスを閉めて、退出。やっぱりまだ警戒されてるみたいだけど、こんなご時勢だし、何でも屋なんて胡散臭いししょうがないよな。


よし、次は独り暮らしのご老人の様子伺いだ。娘さんに頼まれてるんだよな。その次は丹生さん宅の草むしり。雨上がりだった昨日より、今日はちょっと土が固くなってるかも? でもまあ、連続カンカン照りの時よりは絶対マシだよな。


さて。今日も頑張るぞ!

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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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