表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

379/520

ある日の<俺> 2015年3月26日。  祠の神様、猫を使わす?

女の人は腰を冷やしちゃいけないっていうけど。

男だってあんまり冷やさないほうがいいと思うんだ。


コンビニの前で姿勢悪くしゃがみ込んで、カップ麺やら菓子パン食べてる三人の少年たち。短いジャケットに腰パン? ていうのかな、あれ。尻が半分くらい見えてる。


見たくもないんだけど、ちょうど駐車場に車は停まってないし、道路から丸見えなんだ。


うわー、割れ目まで見えてるよ。こんな天気の良い昼間っからあいつら何やってるんだろ、春休みだからか? とか思いつつ、頼まれた買い物を積んだ自転車を押しながら歩いてたら、少年たちがいきなり悲鳴を上げて飛び上がったんで、びっくりした。


聞こえてきた会話から察するに、三人とも尻を怪我したらしく、「猫に引っ掻かれた!」とか叫んでる。なるほど、遠目だけど半ケツにあの特徴的な引っ掻き傷が見えるな。うわ、痛そう。


……だけど、俺ずっと見てたけど、周囲に猫なんかいなかったぞ。


ん? そういえば、コンビニの敷地の向こう側に、何故か野良猫のよく集まる古い祠があったっけ。祠の神さんが、「汚い尻を見せるのではないわ!」と見えない猫を遣わせたのかも……。


なーんてな。きっと腹を空かせた野良猫が、少年たちの食べ物を狙ってきたんだろう。俺が気づかなかっただけで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ