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ある日の<俺> 2015年2月5日。 将棋と猫
2015年なのに2014年にしていたので、訂正しました。
ふぎゃあおう
パチリ。
ふぉんぎゃー
パチリ。
「……また負けてしまったなぁ」
おうーうーおー
「え?」
あーおあーお
「何でも屋さん、また分かってないんだねぇ。ほら、あんたがこう打ったから──」
ふおあーおーあおー
「……あ、王手だ」
「やれやれ、いつもながら負け甲斐の無い人だなぁ」
「す、すみません」
今日は午後から、お得意様の桂木の爺さんと将棋の対戦。何だか分からないうちに、また勝ってしまったらしい。どうしてこうなった。
ふぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃんぎゃーあああおおおうう
「いや、その、外の声が気になって」
「ああ……この季節はねぇ。猫の春だから仕方ないよ」
──恋猫の 命燃やして鳴く声に こころ取られて王手飛車角
一句詠んで、爺さんは溜息をついた。
な、なんかすいません……!
10月24日からえらく飛んでいます。間の正月話と節分話は「一年で一番長い日」の方にあります。
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