ある日の<俺> 2014年9月8日と9日。 何でも屋は身体が資本&月の光と葛の花
ある日の<俺> 2014年9月8日。
朝起きたら、夜、冷えた時の用心のために広げてた綿毛布が、パイプベッドの下に落ちてた。
──くしゃみとハナ水が出た。
九月も二週目に入って、さすがにタオルケットだけじゃしのげなくなったな。
冷えた身体を温めるために、手っ取り早くチューブ入りのおろし生姜を使い、蜂蜜生姜湯を作って飲む。おおう、冷え冷え・・・
ぶぇっくしょん!
いかん。朝飯しっかり食べて力付けないとこのまま風邪引く。ベーコンエッグの簡単サンド作って、屋上菜園でまだ細々と取れるミニトマトと、カップスープも奮発するか。昨日買ったバナナも食べておこう。
身体が資本の何でも屋稼業、季節の変わり目なんかに負けてられるか!
ある日の<俺> 2014年9月9日。
やけに月の光が明るくて、昨夜はよく眠れなかった。
何度も何度も目が覚めて、そのたびカーテンの隙間から見える夜空を眺めれば、しずかにしずかに空を往く、白い月。
──夢うつつに、鮮やかに立ち上る葛の花の香りを嗅いだ気もする。
そういえば、昨夜は中秋の名月だったか。すっかり忘れてしまっていたけど、あれは月に呼ばれていたのかなぁ・・・
>あれは月に呼ばれていたのかなぁ・・・
かの年の<俺> 葛花地蔵
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