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ある日の<俺> 2014年8月15日。  迎え火と送り火のあいだ

6/1、後書きにおまけを数行付け足しました。

はぁ・・・もう八月十五日かぁ。


十三日に迎え火を焚いたばかりだってのに、明日にはもう送り火を焚かないといけない。父さん、母さん、双子の弟──。皆、俺のところに帰ってきてくれてるのかな。分からないけど、帰ってきてるんだと思いたい。


ずっと位牌だけだったけど、この間、一念発起して小さい仏壇を買った。本当に小さい仏壇なんだけど、三人の位牌を収めたらとても<らしく>なった。藤棚のあるお寺の住職さんに、魂入れもしてもらったし。


仏壇を設置して、初めてのお盆。喜んでくれてるかなぁ。


そんなことを思いながら、供えた線香が燃え尽きるのを待つ。ちゃんと線香立てに立ててるとはいえ、火のついたままの線香をそのままにして、外に出るのは危ないからな。


ゆるゆると立ち上る煙。お盆用にちょっといい線香を奮発したから、けっこう落ち着く匂いがする。


・・・

・・・


さて、線香も燃え尽きたし、仕事に出かけるとするか。


用意しておいた水筒を持って、首にタオルを巻いて、帽子を被って。ドアを開けて出ようとした時。


「え?」


思わず声を出していた。

なんだろう、背中が温かい。これから暑い外に出るっていうのに、ちっとも不快ではない。


「──行ってきます」


無意識に、そう呟いていた。自分でも良く分からないけど・・・

まあいいや。今日も、頑張るぞ!

よろしければ別の年のお盆話も合せてどうぞ。『一年で一番長い日』の方にあります。


「その年の<俺>のお盆 1」

http://ncode.syosetu.com/n6429bt/119/



↓元ブログからおまけを発見。2014年8月16日より。↓


今日は八月十六日でしたね。


<俺>はちゃんと送り火を焚いたようです。午後から雨が降り出したので、屋上手前の屋根のあるところで焚きました。真っ直ぐ立ち上る煙、それをじっと見つめる居候の三毛猫。

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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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