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ある日の<俺> 2014年7月21日。  トラ柄は夫婦喧嘩の産物

連休三日目の今日、ようやく城山さんちのペンキ塗りに取りかかることが出来た。ここ数日のようにいきなり天気が崩れることもなく、乾きも早くて助かった。


城山さんもさぁ・・・自分で外壁を塗り替えようと頑張ったのはいいけど、ごく普通の民家なのに、黄色と黒のツートンカラーは無いと思うんだ。夫婦喧嘩のあてつけでやってしまったってことだけど・・・


頭が冷えて塗り直そうと思ってたところに、会社からまさかの緊急出張命令。「ペンキ塗り直すから行けません」なんて言えるわけもなく、即日出社、即日出張。


……戻れるのは、ひと月先だそうだ。


「もう、恥ずかしくてご近所歩けなかったのよ!」


城山の奥さん、お怒りである。


これは、あれかな。衝動的な犯罪者の言う「むしゃくしゃしてやった。今は反省している」ってヤツかなぁ?


むしゃくしゃして塗った

壁なら何でも良かった

今は阪神している


「──ご主人、タイガースファンなんですか?」


思わず訊ねてしまった。


「この色じゃ、そう思われても仕方ないわよねえ……」


奥さんは苦笑い。


「単純に、その二色のペンキが安かったってだけらしいのよ。何色でもよかったみたい。バカよね、本人は巨人ファンなのよ」


「あはは……」


笑うしかない。夫婦喧嘩って怖いな~。はは。


「でも、もういいわ。こうやって何でも屋さんにきれいなクリーム色に塗り直してもらったことだし。なかったことにしてあげるつもりなの」


出張から疲れて帰ってきてまで責め立てられたら、あの人だって嫌になるだろうし、と奥さんは溜息をついた。


「これでもか、ってご馳走を作ってあげることにするわ。あの人の好きなお酒も用意して」


そうしてあげてください、とにっこりしつつも、俺は内心考えていた。


──それはそれでコワイというか、旦那さん、疑心暗鬼になるんじゃないかな……? やっちゃった自覚はあるみたいだし、帰ったら妻に文句を言われると覚悟してたのに、ご馳走にお酒で歓待じゃあ、ナニか裏があるのかも? と戦々恐々としたりして。


案外、それが狙いかも。恐ろしい。くわばらくわばら。



喧嘩の原因は、卵焼きの味付けについて、だったらしい。奥さんがしょっぱい卵焼き派で、旦那さんは甘い卵焼き派。


……

……


食の好みの違いは、時に大問題を引き起こす。ことがある。お互いの歩み寄りが大切。うん。

「緊急出張命令」までしか書いてなかったので、残りは今書き足しました。

ブログの方の話のつづきも書かないといけないのに、何をやってるんでしょうw

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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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