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ある日の<俺> 2014年6月1日。 強面わんこも散歩がお好き
今日から六月。朝の涼しいうちに、グレートデンの伝さんと散歩。
公園コースを行く伝さんの足取りは軽い。このところ昼間の最高気温が連日三十度を越えてるけど、そんなの関係なく伝さんは元気いっぱいだ。時折出会う犬仲間と匂い嗅ぎの挨拶をしながら、とっとこ歩く。
「なあ、伝さん」
「おん?」
「伝さんはスタミナがあるなぁ」
「おん!」
そうともオレはタフだぜ、とでも言うように、軽く吠えて返事をしてくれるから、俺は楽しくなってしまう。
「じゃ、軽く走ってみるか?」
「おんおん!」
リードを握り直して軽く走り出すと、当然ながら苦もなくついてくる伝さん。だけど、決して俺を追い越して行ったりはしない。伝さんはきちんと訓練されている超大型犬なのだ。
はっはっは、と大きな桃色の舌を出しながら、伝さんはすごくうれしそうに俺に合わせて走る。本当に楽しそうだ。全身で喜んでるわんこって、どうしてこんなに可愛いんだろう。
強面だろうと、地獄の番犬のようにでっかかろうと、可愛いったら可愛いんだ。
なあ、伝さん。今日も暑いだろうけど、伝さんのお陰で頑張れるような気がするよ。