ある日の<俺> 2014年5月4日。 黄金週間は多忙
今日も朝から犬の散歩。仲のいい犬同士だと二頭同時に連れて行けたりして楽なんだけど、今回預かってる犬たちだとそれは無理そうだ。
中でも、安曇さんちのミニチュア・ピンシャー、タロー君は気難しくて気を使う。幸い俺には馴れてくれたけど、家族以外の人間とよその犬は基本的に嫌いらしい。散歩中に他の犬に出会おうものなら、ほとんど洩れなく低い唸り声で威嚇する。
自分のこと、人間だと思ってるみたいなんですよね、と、飼い主の安曇さんも諦め気味だ。
よしよしよし、どうどう、と声を掛けながら、唸られた犬の飼い主さんに謝りつつ足早にその場を去る。
俺は犬に好かれやすいけど、こういう性格の子をどうすればいいのか分からない。一番いいのは、多分、専門のトレーナーさんに相談することだと思うんだけど、安曇さんにはそのつもりが無いようだ。
まあ、タロー君は唸るだけでケンカを仕掛けに行くようなことはないんだけど・・・心配なのは、唸って敵意を向けられたほうの犬の反応だ。虫の居所が悪ければ、向かってきたりするかもしれない。
・・・犬にだって、社会性が必要だからな。犬の礼儀を知らない犬は、他の犬に嫌われる。何とかならないものか・・・
俺が考えたって、仕方が無いんだけどな。
ふう、ウ○チは終わったか、タロー君。後始末するからちょっと待って。よしよし、慣れた人間には愛想良くしてくれるんだな、うれしいよ。
さて、帰るか。
午前の犬の散歩はタロー君で終わり。次は春日さんちで障子張りだ。