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2012年 冬至の日の<俺>

2016年4月20日、更新を再開します。

ちゃぽん。ぽちゃん。


狭い湯船は、ちょっと身動きしただけで湯が跳ねそうになる。だから、最小の動きで、身体のあちこちを地味に伸ばす。少しずつ。少しずつ。


ををを、熱めの湯が、沁みる…!

しばし身悶えた俺は、肺の奥底から満足の溜息をついた。


はあ…。寒い夜は、やっぱり風呂がいい。湯船に浮かべた柚子がいい香りだ。しみじみと寿命がのびる気がする。今日、和田さんちに落ち葉掻きに行ったら、柚子を三つもくれたんだよな。


その後、八田さんに頼まれてパソコンの設置をしに行ったら、小豆粥をご馳走してくれた。絶妙な塩味で、あれは美味かった。齢八十になってフェイスブックやるって、八田さんすごいよな。やり方は孫に教わるって言ってたけど、なんというか、気が若い。


夕方には、富岡さんちの夕子ちゃん(小学五年生)の塾の送り迎えをした。この季節、あっと言う間に暗くなるし、最近物騒だから親御さんも心配だろう。で、帰りにはカボチャの煮物をもらった。


俺、お得意さんに恵まれてるよなぁ。



本日、冬至。

カボチャ食べて、小豆粥食べて、柚子湯に入る。


一陽来復。

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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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