ある日の<俺> 12月11日。 漢、伝さん
某野生動物=鹿
ソレを見た瞬間、俺は言葉を失った。
伝さん、何て姿に・・・
だって、だってさ! グレートデンの伝さんの頭に角が生えてるんだ。あれはどう見ても、某野生動物の多数棲息する観光地で売られてるグッズ、トナカイの角カチューシャ。
あそこのご当地キャラクターは、どうしてかその野生動物の角じゃなくてトナカイの角を生やしてる。だから土産物のそれもそうなってるんだろうけど・・・偶蹄目繋がりなんだろうか。
そんなしょーもないことを考えながら現実逃避する俺。何故か得意そうな飼い主の吉井さん。
話を聞いてみると簡単なことだった。吉井さん、今年のクリスマスにはサンタクロースに扮して近所の保育園にプレゼントを配りに行くんだそうだ。伝さんはトナカイ役。
普通だったら、そんなもんを頭に付けられた時点で、嫌がって頭を振るなりして取ってしまいそうなもんだけど、伝さんは小ゆるぎもしない。
そう、例えば。
例えば、かのゴルゴ13が菅笠を被り、蓑を着、愛用のライフルの代わりに火縄銃を持っていたとしても。その姿は絶対に<マタギ>ではなく、彼の本来の姿であるところの、超一級のスナイパーにしか見えないだろう。
伝さんもそうだ。通常ならば笑いを誘われるはずのアイテムを身に付けていてさえ、伝さんが伝さんであるところの、グレートデンの雄雄しさ凛々しさは少しも損なわれない。ただ、堂々とそこに立っている。
伝さん、アンタ、漢だよ・・・
「ゴルゴマタギ」で検索すると…