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ある日の<俺> 8月24日。  真夏の花吹雪

低気圧と高気圧がつかみ合いでもしてるのか、今日は風が強い。凪いだかと思えば、次の瞬間、突風が襲い掛かってくる。


そんなわけで俺は今、色とりどりの花吹雪の中にいる。

濃紅、淡紅、白、紫紅、薄紅。


何でも屋の仕事の延長で、庭木の剪定の真似事なんかもするようになってから気づいたけど、夏の花吹雪といえば百日紅だ。花弁が風に舞い散らされるのは、春の桜だけじゃないんだよなぁ。


特に、この佐藤さんちの庭は圧巻だ。先代が家を建てたときに植えたという百日紅の木が、十本近くある。それがまた、全部花の色が違ったりするわけだ。


百日紅の花は当年の枝によく咲くから、葉っぱが落ちた冬には剪定されて丸裸になる。その姿に因んだものか、実は、佐藤さんちは「坊主屋敷」と呼ばれることがある。・・・確かに、あの白いつるっとした木の姿は何となく坊主を連想させる。


密かに、山○塾の踊りの人みたいだな、と思っているのは内緒だ。


それにしても、今日は天気が変わりやすい。これから頼まれものの買い物に行くから、雨が降ったらいやだなぁ・・・


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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